ぼくたち (ページ20)

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入院　１ページ20

空side
友達と遊んで自転車で家へ帰る途中、転んじゃった。
足が痛くて立てないし、分からないけど血がいっぱい出ている。周りにいた人が「大丈夫？救急車呼んだからね」って言いてくれるけど、返事もできない。
救急車が到着して、「お名前は？何歳かな？」って聞かれるけど、答えられない。
どうなっちゃうのかな？大地くんと桜ちゃんに会いたい。

翔side
俺は、岡田病院に勤める医者。同僚の智くんと家に帰る途中だった。救急車が停まって、人だかりができている。車を停めて、2人で駆け寄る。そこには、ク
リニックの大地くんと桜ちゃんの弟の空くんがいた。
救急隊の人に名前も言えないみたいで、救急隊の人も困っていた。
人だかりをよけて、智くんと2人で近づく。「俺たちは、岡田病院の医者です。その子は、知り合いの子なので、俺たちの病院へ搬送して下さい」と
お願いした。
俺は空くんと一緒に救急車で病院へ向かい、智くんには、大地くんたちに連絡してもらった。
俺、昔、何度か空くんの診察をしたけど、病院嫌いで大地くんたちがいても大変だった。今も治ってないみたいだな。とりあえず、「痛いところ治しに病院へ
行くよ」って伝えたけど、今の状態では理解できていないと思う。
うちの病院は、どんな患者さんにも寄り添うことでそこそこ、有名だからスタッフも空くんみたいな恐怖心の強い患者にも対応できる。

智side
プライベートでも仕事でもよくしてもらっている、大地くん達の弟、空くんがけがした現場に通りかかった。
そのまま、翔くんと救急車でうちの病院へ搬送してもらう。
俺は、大地くんたちに病院へきてもらうように連絡した。
2人とも、とてもびっくりしていた。帰りが遅いから、心配していたみたい。