ぼくたち (ページ16)

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大きな赤ちゃん　2人？？　5 ページ16

大和side
待合室でママと待ってる。丸山先生の診察室から、空くんの声が聞こえてきた。
「イヤイヤ」してるみたい。
長い時間経って、空くん出た来た。
顔に涙の跡がいっぱいあった。俺は、ママの手を急いで放した。
どうしよう。次、俺の番。全部、ダメだけど耳鼻科は特別苦手。
「大和くん、どうぞ」って大地先生に呼ばれた。
先生が出て来て、「行こう」って、勇気を出して立ち上がる。
ママと大地先生と3人で診察室へ入った。

丸山先生side
想像していたより早く入ってきた大和くん。
お母さんの手を握ってね。
「久しぶり、よく来れたね」って声かけ。
無言でうなずいてくれた。
どこでお話し聞こうかな。
「大和くん、どこ座る？」「やまちゃん、座らないもん。お話しない」って。
「え～、お話しして、ちょっとだけ診せてよ」
お母さんが、「お泊まり会、いくんでしょ」って。
おぉ、考え直してる。
それにしても、お泊まり会、最強アイテムだなぁ。

小さい声で、「やまちゃん、あそこがいい」ってキッズスペースを指定。
クリニックの耳鼻科には、キッズスペースを作っていて、同じ処置が出来るようになってる。
同じ処置が出来るって大和くんには、内緒にしてる。
キッズスペースに、大和くん、お母さん、大地先生、俺で座る。「お鼻とかおみみ、どうもない？」って聞いた。
「どうもないもん」って。
まぁ、お母さんからも桜先生からも情報入手済。
「そっか、じゃあ、どうもない事、先生に診せてよ」って言う。「嫌だ、ママ。やまちゃん嫌だ」って泣き出した。
「診せたくない」って立ち上がって出て行こうとする。
お母さんが、「今、診てもらわないと次から、一緒にいないよ。1人で頑張るなら、次にして下さいってお母さんからも先生にお願いしていようかな。どうするか大和が決めなさい」って。

さっきもあったな、この感じ。

大和side
俺があまりにグスグスしてるから、自分で決めなさいって言われた。ママ、今も手を握ってくれてる。
ママに「今日、診てもらう」って小さい声で伝える。
「わかった。じゃあ、自分で先生にお願いします。しよう。お母さん、ずっといるからね」
丸山先生に、「いっぱい、泣いちゃうけど診て下さい」って言えた。

丸山先生side
あえて、軽く「かしこまりました」って返事。

大地先生にもたれさせて、固定して診察開始。
頭は、山口さん。体制整える為に一瞬、お母さんの手を離させたらもう、大号泣。
お母さんがもう、やまちゃんって苦笑いしてる。