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｢なんか久々やな〜2人で飲むの｣
｢…そうやな｣
ほんまに久しぶりに見た。
穏やかに微笑む姿はあの時からまるで変わらへん。
｢はっすん、こっち来てたんやな｣
｢うん、連絡取れへんから、言われへんかったけどな｣
｢…ごめん｣
｢いや…ええよ、何頼む？｣
大学を卒業した後、俺は逃げるみたいに上京した。
誰にも言わずにひとりで。
それでも、過ごした時間は嘘をつかへんらしい。
5年も会っていなかったことが嘘みたいに、
昔みたいに盛り上がった。
何故か酔えなかったここ数日も無かったかのように、
今はふわふわしてきて気持ちがいい。
｢大ちゃん、...彼女は？｣
突然落ち着いたトーンでそう聞かれる。
質問の真意を察する現実的な自分と、
なんでそんな当たり前のこと聞くんや？なんて能天気に思う自分が混在して、
一瞬思考が止まった。
｢…え？
知ってるやろ？Aが｣
｢Aはもうおらんやろ｣
無理に笑顔を作った俺の答えを、はっすんが静かに遮る。
まるで俺が何を言うか、質問する前から分かってたみたいに。
先の言葉が頭に重く残る。
喉に何かあるみたいな、苦しさが徐々に俺を襲った。
バクバクと心音が大きくなっていくのが分かった。
｢まさか、また帰ってくるって思ってるわけないやんな｣
責めてるのとも違う、
確認するような話し方をしたはっすんは、真剣な顔をしている。
…わかってた、
ずっと心配されてるってことは。
上京してから俺は、出会った人と上辺の付き合いしかせず
頭にあるのはいつもAのことだけ。
昔を思い出しては空想に浸るばっかりやった。
｢お墓参りもしてないんやろ？
葬式も途中でおらんくなって...｣
段々と記憶が戻ってくる。
あの日、連れられるがままに眠ったAに会いに行ったこと。
嘘やって、
そんなわけないって、
俺の頭は事実を拒否した。
やって、つい昨日まであんなに元気やったのに、、、
いつも通りに笑いかけてくれたのに…。
受け入れられへん現実が、あまりに重すぎた。
だから、Aはサンタになったんやって
いつか、帰ってくるって…そう思うしかなかった。
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miichi(プロフ) - 読みながらウルウルしちゃいました！続きが読みたくなります！ (2022年12月26日 18時) (
レス) @page13 id: 18c95e1595 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まるこ。 | 作成日時：2022年12月24日 20時
