おまけ ページ45
*
『会いに行ってもいいですか？
というか、すぐ近くまで来てるんです』
なんやかんやあって、そう連絡して今、
和也くんの通う大学の門のそばにいる。
私は高校の制服を着ているからかなり目立つらしく、
往く人に見られて恥ずかしくなって門から少し離れた。
｢高校生ですか？
一人でなにしてるんですか〜？｣
後ろから聞こえた穏やかで大好きな声。
｢もう、和也くんも去年まで高校生やったでしょ？｣
｢んははっ、お待たせ｣
｢ううん、待ってないです｣
｢今日はどうしたん？｣
｢あの、これ見てください！｣
私は今日返された化学の答案用紙を見せる。
化学は和也くんに教えてもらっていたから、1番自信のある科目やった。
｢おお100点！おめでとう〜！やったな｣
｢はい！和也くんのおかげです！｣
顔をクシャッとさせて笑った彼が、私の頭をわしゃわしゃ撫でた。
こんなに心地いいこと多分他にこの世に存在せえへん。
パッと離れた手に惜しい気持ちが残るくらいには、ずっと一緒にいたい。
｢…あ、ごめんなさい、こんな事で来ちゃって｣
｢え？なんで謝んの、むしろ嬉しいけど？｣
そう言われると、むふっと頬が緩むのを抑えられへん。
｢…これは建前で、ほんまは会いたかっただけです｣
私がそう言うと、和也くんは｢知ってる｣と言って微笑んだ。
｢どっかご飯食べ行く？あでも、あんまり高校生を連れ回されへんからな〜｣
｢お母さんには連絡してあります！
和也くんが私を家まで送り届けてくれれば、なんの問題もないです！｣
｢…もうほんまにさあ、｣
私の言葉に先輩は呆れたみたいな口調で笑った。
｢あかんで？それ他の誰にも言っちゃ〜｣
｢他に誰に言うんですか？｣
私の言葉にふっと笑みをこぼすと、私の手を握る和也くん。
手を繋いだ時必ず照れてしまうのは、きっと一生治らへんやろな。
むしろ、ずっと治らへんでええかな、なんて。
FIN.
*
終わり
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まるこ。(プロフ) - ナポリタンさん» ご愛読、コメントありがとうございます！うわ〜すごく嬉しいです〜🥲ぼちぼち更新して参りますので、これからもお付き合いいただければ✨️ (2022年11月28日 0時) (
レス) id: f520444a12 (このIDを非表示/違反報告)
ナポリタン(プロフ) - 続き待ってます！曲聴きながら読んでたらいつの間にか泣いてました😭 (2022年11月26日 15時) (レス) @page7 id: 9018b286e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まるこ。 | 作成日時：2022年11月12日 11時
