先輩と雨。 ページ5
*
部活に入ってない私の放課後は、
図書室に行くか、勉強するために残るか、ただ帰るかの3択。
この学校に無所属の人は結構おるけど、
そういう人はみんな生徒会や委員会に入ってちゃんと活動している。
私が活動してることと言ったら...大橋先輩の観察？
好きな人研究部とか、発足しようかな。
せっかく今日は友達のテニスの練習試合を見ていたのに、途中で雨が降ってきて結局中練になってしまった。
私は大人しく帰る。
梅雨の時期って髪が広がるからほんま苦手やな〜、はよ終わらんかな。
｢あ、A〜｣
不貞腐れながら下駄箱の扉に手をかけた時、
友達と同じく中練の恭平が声をかけてきた。
｢おお恭平！お疲れ｣
｢お疲れ〜、帰んの？｣
｢うんそうする｣
｢あーそうや、さっきあの先輩に会った｣
｢え？｣
恭平はクッと口角を上げる。
｢もう帰るって言ってたから、たぶんこっち来るで。
じゃあ｣
｢えっ！ちょっと、｣
戸惑う私を残して、恭平は颯爽と行ってしまった。
''あの先輩''って、絶対大橋先輩のことや。
''こっち来る''って言われても、
…せっかくなら待っといたら？ってこと？
でもでも！とひとりで慌てていると、
｢あ！Aちゃん｣
微笑んだ先輩が、こちらに向かって廊下を歩いてきていた。
｢あっ、えっと、…こんにちは...｣
｢ははっ、どうしたん？｣
先輩は私の慌てように笑うと、そのまま下駄箱へ行き靴を出す。
待ち伏せしたみたいでちょっと申し訳ない。
いや、今更か。
私も急いで履き替えて、昇降口に立つ先輩に駆け寄る。
｢...帰る？｣
と、首を傾けて聞いてきた先輩。
私は心臓音をグッと抑えて答える。
｢…いいんですか、？｣
｢もちろん。帰る方向一緒やん｣
この瞬間ほど、家の立地に感謝したことは無い。
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まるこ。(プロフ) - ナポリタンさん» ご愛読、コメントありがとうございます！うわ〜すごく嬉しいです〜🥲ぼちぼち更新して参りますので、これからもお付き合いいただければ✨️ (2022年11月28日 0時) (
レス) id: f520444a12 (このIDを非表示/違反報告)
ナポリタン(プロフ) - 続き待ってます！曲聴きながら読んでたらいつの間にか泣いてました😭 (2022年11月26日 15時) (レス) @page7 id: 9018b286e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まるこ。 | 作成日時：2022年11月12日 11時
