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時間を過ぎると、今まで勤務してきた中で一番早く会社を出た。
タクシーは意外と直ぐに捕まえられたけど、
急ぎすぎて、
告白のセリフも考えている余裕も無い。
駅に着いた途端に走る。
彼がいるはずの乗り場まで一直線。
周りなんか気にならない。
靴擦れを起こしそうなくらいに走ってようやく、
がらんとしたホームにひとり、華奢なスーツ姿が見えた。
幸いまだ新幹線は来ていない。
｢大吾！｣
私が呼ぶと、驚いた様子で振り返った。
｢え、なんで…｣
戸惑う大吾に一目散に近づいて、
ネクタイを掴み引っぱる。
もう考えてなんて、いられない。
グイと引き寄せて、そのままキスをした。
驚いている目と目が合う。
自分でも、突飛すぎるって思ってるけど…
もう、嘘はつきたくないから。
｢今でも好きだよ
ずっと好きなの！
好きじゃなかったことなんて、
一度も、ないから…｣
心に身を任せて言った言葉に、ひとつも後悔はなかった。
力が抜けるようにしりすぼみになった私の言葉に、
大吾は何故かみるみるうちに涙目になる。
｢え！？ちょっと、なんで泣くの｣
うわぁーんと赤ちゃんのように泣き始めると、しゃがみこんでしまう大吾。
｢ええ…｣
戸惑いつつ、私も合わせてしゃがんで、
両手で顔を覆う大吾に尋ねる。
｢…嬉しかったの？｣
すると泣きながらコクコクと頷いた。
こんな一面があるとは、知らなかったのは情けないな。
目の前の光景におかしくて私が笑うと、同じように大吾も、泣きながら笑った。
｢…アンタ気付くん遅いねん、、｣
手で涙を拭いながら最もなことを言われてしまった。
大吾はずっと、
昔も今もずっと、本当のことしか言ってなかったんだもんね。
｢ごめんって｣
｢7年分やからな｣
｢え？｣
｢7年分俺の言う事聞くんやで｣
拗ねたような口ぶりに、思わず微笑む。
｢…うん、なんなりと｣
たぶんこれから一緒にいる時間は、
空白の時間なんてあっという間に埋めてしまうような気がする。
もう嘘はいらない。
｢じゃあ、時効だね｣
｢…ほんまの、恋人やからな｣
目を涙でキラキラさせて、はにかんだ姿は
あの時と変わらない、大好きな彼だった。
FIN.
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まるこ。(プロフ) - 汐帆さん» ご愛読、コメントありがとうございます！そう言っていただけると本当に嬉しい限りです！！近々続編のお知らせができるかも？なので良ければそちらもぜひ！ (2022年12月23日 18時) (
レス) id: f520444a12 (このIDを非表示/違反報告)
汐帆(プロフ) - 初めまして！とっても面白く一気に読んでしまいました！更新お疲れ様でした。いつか大吾くん目線のお話も読んでみたいです。 (2022年11月28日 23時) (レス) id: 2fb46ab547 (このIDを非表示/違反報告)
まるこ。(プロフ) - りんごさん» ご愛読、コメントありがとうございます！涙を、、、凄く嬉しいです…この2人を気に入っていただけたようで幸せです…！ (2022年9月28日 16時) (レス) id: f520444a12 (このIDを非表示/違反報告)
まるこ。(プロフ) - にぱたんさん» ご愛読、コメントありがとうございます！続編ぼちぼち進めてまいりますので、気長にお待ちいただけると…´`* (2022年9月28日 16時) (レス) id: f520444a12 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - とってもよかったです。こちらのお話し見つけで最後まで読み切ってしまいました🥺💓涙流しながら二人の恋模様見守りました。またいつかこの２人の続き読みたいです！ (2022年9月19日 2時) (レス) @page48 id: 10603752ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まるこ。 | 作成日時：2022年8月24日 4時
