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シャワーを終えて、着替えを済ませ外に出た時には、
もう夕方になっていた。
ふとプールサイドへ顔を向けると、Aと
…香菜と高橋くんがいるのが見えた。
なんて話してるのか聞こえへん。
でも…良い話ではないことは分かった。
高橋くんが踵を返すと、それを追いかけて香菜が走っていった。
一人残されたAがプールフェンスに背中を預けて、ずるずると崩れ落ちる。
｢A！｣
思わず声をかけ、駆け寄った。
僕が行って何が出来る？って言われたら
…答えられへん。
でも、足が勝手に進んでいた。
驚いたAは肩を震わせ顔を上げた。
｢…長尾？
まだおったんやね｣
｢…なんで泣いてるん…？｣
泣き顔を見られたくないのか、Aは顔を伏せて、上げてくれない。
｢なんでもない｣
｢そんな訳ないやろ
なあ…お願いやから教えてや｣
｢…私、高橋くんにひどいことした｣
長い沈黙の後、Aが嗚咽混じりの声で事情を話す。
｢…避けられてるって思わせてたみたいでな、ごめんって、
高橋くんがあんまりに困った顔するから、
やから私怒鳴ってもうて、
違うって言いたかっただけやのに…｣
何があったのか何となく把握できた。
避けられてると思ったのも思わせたのも、多分誰も悪くない。
この何重にも絡まってしまった恋路に、誰ひとり悪い人なんて居ない。
｢…私今日ずっと失敗してばっかで、｣
｢A…｣
｢…なんなんやろな、ほんまに｣
やっと顔を上げたAは、涙で顔を濡らしながら自嘲気味に笑った。
こんな時、抱きしめられたらええんかな。
僕にはできひん。
そんな権利、ないやんか。
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まるこ。(プロフ) - Hano.さん» 閲覧いただきありがとうございます！！感想コメント凄く嬉しいです…… (2022年1月13日 9時) (
レス) id: f520444a12 (このIDを非表示/違反報告)
Hano.(プロフ) - うわぁぁぁ、、、切ない、、、 (2021年11月20日 22時) (レス) @page13 id: 274f9384a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まるこ。 | 作成日時：2021年10月6日 19時
