Last Winter (ページ13)

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１３. ページ13

『颯太、さっきはありがとね。』

とりあえず隣のクラスでジュースを買ってきて

人気のない所へ移動する。

「んーん、別に、大丈夫だよ。」

『…やっぱり、颯太いないと私ダメだね』

しょんぼりした声でAが言う。

・

『この前美怜たちと遊園地行った時だって、

颯太たちいなかったら大惨事になってたかもしれないし。』

「うん。」

『颯太だって分かってるでしょ？

…私ももうそんな長くないの。』

ずっとA俯いてるから恐らく泣いているだろう。

声も震えている。

・

『…っ、颯太…』

俺はAを優しく抱きしめた。

「Aはそのままでいいよ。

俺がいないとダメなままでいい。

だから、俺にAのこと助けさせて？」

『でもっ…これからはたくさん迷惑かけちゃうかも』

「いいんだって、迷惑かけて。」

そうすると後ろに回ってくるAの細い腕。

『ありがと、』

「全然。俺の方がAに迷惑かけちゃうかもね？」

冗談交じりに言ったつもりだったけど、

『そんなことないよ。それなら本望です。』

微笑みながら見つめ合う。

「…ならいっか、迷惑かけても」

どちらからともなく引き寄せられ、重なる唇。

・

・

神様、俺たちはこんなに幸せでいいのでしょうか。

・

・

なんだか、罰が当たりそうです。