Last Winter (ページ12)

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１２. ページ12

文化祭が始まり、やっと休憩の時間がきた。

お化け屋敷をやるクラスは俺らしかいないらしくて

おかげでたくさんの人が来て大盛況だ。

あー声出しすぎて疲れちゃった。笑

メイクを落として着替えてAの元へ向かうと、

『ありがとうございます！楽しんでいってくださいね！』

お客さんたちに可愛い笑顔を振り撒きながら言うAの姿があった。

文化祭のため、他校の生徒も来るからちょっとひやひやする。

・

〈ねえねえ、この後一緒に回らない？〉

『…へ、』

〈君可愛いじゃん！一緒に遊ぼうよ！〉

見たことのない制服。他校のやつらだ。

あいつらナンパしやがって…！

怒りの気持ちを抑えつつAの名前を呼ぼうとすると、

・

湧「はいはい、ナンパは他でやってくださーい。

ここはそんなとこではありませんし、

第一、この子には大切な彼氏さんがいるんで。」

湧がそう言ってくれた。

『ちょっ…湧くんっ、』

「…すみませんねー、この子には俺がいないとダメな子なんです。

申し訳ないんすけど他当たってください。」

それに続いて俺もやつらに声をかける。

「颯太…」

・

〈あ、そうっすか。…ﾁｯ〉

軽く舌打ちをして男たちは消えていった。

・

湧「颯太、顔。」

『っ…あぁ、ごめんごめん』

どうやら無意識に睨みつけていたらしい。

湧に注意されてやっと気づいた。

「A、休憩だよ。早く行こ。」

『あっ…うん！

湧くん、さっきはありがとね！』

湧「いーえ。楽しんでな！」

ねねは大きく頷き俺の元へ来る。

『ごめん颯太、行こっか！』

「おう、」

…なんか、やだ。