#探偵さん ページ10
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この世は地獄である。
私の平穏の生活はいつ訪れるのだろうか、頭は常にその事でいっぱいだ。
遡る事30分前。
「…悪ぃ、仕事が入った、此処で待ってろ」
「はい!?」
そう言い残し私を1人公園に置き去りにして仕事に行ってしまった中原さん。
自分の住む世界とは違う街並み、違う風景。友達も居なければ知り合いも居ない、そんな所に1人置いていかれた私は、勿論云うまでもなく。
「…うぅ、帰りたいいい」
1人公園のベンチで丸くなり泣いてます。
とにかく帰りたい、それだけに限る。
そして残念なことにこの世界で頼れる人物が中原さんしか居ない事にまた悔しみの涙が溢れる。
帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい
「うぅ〜〜中原さんのクソ、チビ、金銭感覚狂いの美形男、犯罪者、………喉渇いた」
文句を云うだけ云ったら喉渇きました。そう云えば昨日から散々泣きっぱなしだし、朝ご飯食べたのを最後に水分を取っていなかった。
自販機、はあるけどお金ないな。
とりあえず中原さんが帰ってくるまで、やっぱり此処で大人しく待つしかないかな、
「おや、美しい女性かと思えば蛞蝓の知り合いなのかい?」
…ん?蛞蝓?
「えっ…あ、いつの間に、」
「こんにちは、ご機嫌いかがかな?」
「こんにちは…ご機嫌は、悪いです」
生流し目だ。
とツッコミたくなるようなコレまた美形な男性は、「可愛いねぇ」と不審な発言を繰り返しながら私の隣に座る。
蛞蝓。が指す人物は中原さんだろうか?少なくとも私はその人しか知らないけど。
「蛞蝓に何かされたのかい?困っているなら私が相談に乗ろう、何故なら私は探偵社員だからね」
「探偵さん…?」
こんな怪しい人が探偵なの?この世界色んな意味で危険すぎる帰りたい。
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【#探偵さん】
「こんな美しい女性を泣かせる等、蛞蝓は相変わらずチビで馬鹿だねぇ」
「……(あっ、これ中原さんの事だ)」
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作者名:唯 | 作成日時:2020年4月5日 2時