#世界 ページ6
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朝起きたら全部夢だった。そんな薄い期待を胸に覚醒しきれない頭を回転させて起き上がった。
フカフカの布団、其れは何時も通りなのに周りを見回せば見覚えのない家具や物。あぁ、やっぱり夢じゃないんだな、と改めて確信し、沈む。
ーーあの後、男性は私から少し距離を取ると「取り敢えず今日は寝て明日考えよう」と云った。
其れに対して、勿論私は反対した。
何故此処に居るかは知らないが、流石に男性の家にお泊まりするなんて無理だ。
だから家に帰ります、と。
しかし、
「いや、あんたは多分帰れねぇよ」
…何て事を言われてしまい、どういう意味だろう。と首を傾げれば、仕方ないとばかりにため息を付かれる。
「此処はヨコハマだ。あんたの出身地が横浜だって云うなら、何故異能力者の事を知らねぇんだ」
今じゃ異能力者はニュースに出ることだってあるんだぞ。そう云われ更に疑問は増える。
この世界じゃ、異能力者なんて単語は常識の1つと云っても過言ではないと。
…この、世界では。
考えたくはない、しかしこれ以外に辿り着く答えなんかない。
まさか、…お風呂入ってる間に
「私、別世界に飛ばされた…とか?」
それも、異能力を持つ人達が存在する、ファンタジーのような世界に。
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【#世界】
「起きたか?なら飯食おうぜ、作ったからよ」
「ありがとうございます……………」
「…悪ぃと思ってるからその顔やめてくれねぇか」
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作者名:唯 | 作成日時:2020年4月5日 2時