#異能力 ページ5
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此処に居る(居た)経緯とは他に、私は私自身の存在確認というかのように
名前、職業、国名、年号、出身地。を話した。
目の前の男性は其れを静かに頷き乍聞いてくれ、自分の事について一通り話終えると「1つだけ質問してもいいか?」と声を発する。
其の声がまた随分とイケボで、あぁこれは何の虐めだろうかと頭を抱えたくなり、苦し紛れに「どうぞ…」と答えた。
「手前…、あんたは異能力者か?」
男性が真っ先に問い掛けてきたのは、自分が想像してたものとは余りにも掛け離れたものだった。
はて、異能力者とは。超能力者みたいなものだろうか?少なくとも私にはそんな事出来やしない。
そもそもそんな能力が使える世界なんて、まるでファンタジー世界にでも来てしまったかのよう。
「…えっと、異能力って何ですか?」
「異能力を知らねぇのか?」
こくり、と頷く。
すると「手前もしかしてお嬢様とかなのか?」と返され、今度は首を全力で横に振る。
違います、私はしがない会社員の子供です。
すると今度は取り敢えず試してみるか?と。
ぞくり、と嫌な予感がした。
「【重力操作】」
「えっ、あっ、えええ!やめ、やめて下さい!」
ふわっと中に浮いた自分身体。
其れを実感してから直ぐに沸いた感情は、凄いとか面白いとかそういう感情等ではなく、
今さっき感じたばっかりの感情。
思い出して欲しい。今の私の格好を。
ブカブカしたパーカーしか身に着けていない!
下着を着けていないのだ!
それなのに、それなのに、、!!
「…あ、悪ぃ!忘れてた!!」
「うええええええぇぇぇぇん!!変態いいい!!」
バシンッ!!と大きな乾いた音が部屋に響いた。
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【#異能力】
「悪かった!俺が悪かった!」
「早く降ろして下さい!!!」
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作者名:唯 | 作成日時:2020年4月5日 2時