十五話 おそらく、全ての始まり ページ16
うーん…結局キョンは何を言いたかったんだろ……
"ないもんはしょうがない"
"空を飛びたいと思ったから飛行機を作った"
あ、もしかして…
「キョン、キョン」
「何だ?」
「さっき言ってたのって、"ないなら作ればいい"ってこと?」
「……今、気づいたのか?」
「悪い?」
「ていうか、今……」
とキョンが言おうとした瞬間、キョンの襟首をわしづかみされたと思えば、すごい勢いで引っ張られ、キョンの後頭部に机の角が激突。
キョンは涙目になっている。
「何しやがる!」
怒るキョンをよそに、キョンの襟を掴んで立っている涼宮さんは、初めて見る笑顔だった。
「気がついた!
どうしてこんか簡単なことに気付かなかったのかしら!」
目をキラキラさせながら言う涼宮さん。
「何に気付いたんだ?」
「ないんだったら自分で作ればいいのよ!」
「何を?」
「部活よ!」
「そうか。そりゃよかったな。
ところでそろそろ手を離してくれ」
「なに?その反応。もうちょっとあんた達も喜びなさいよ、この発見を」
「うん、すごく楽しそうなんだけどさ。
今は落ち着いて?」
「なんのこと?」
「授業中だ」
涼宮さんがキョンの襟首から手を離したのを確認し、前を向くと全クラスメイトの半口あけた顔と、チョーク片手に今にも泣きそうな大学出たての女の先生が視界に入った。
キョンが涼宮さんに早く座れと手で合図したのを確認してから、可哀想な英語の先生に苦笑いしながら手を上に向けて差し出して見せた。
「どうぞ、授業の続きを」
なにかを呟きつつ、涼宮さんは着席して、先生は黒板に続きに戻る。
新しいクラブ……か、楽しそうだな。
十六話 「協力しなさい!」→←十四話 物理法則万歳!byキョン
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