第61話 ページ23
「告白はしないの?」
「向こうが俺のことをどう思っているのか、わからねーしな……?」
総悟が、お前はどうだったんだと言わんばかりにミライを横目で見る。
「そんな目で見ても私は何も言わないよ。自分で考えて行動しなきゃ。まあ、でも……」
ミライは遠くを見ながら独り言のようにつぶやく。
「……あの時は、嬉しかったけどな」
「! やっぱりお前……」
総悟は何かを勘付いたようにミライのほうを見たが、ミライはふっと笑うだけでそれをスルーした。
「Aは異世界の人間だし、いつ戻れるかもわからないから、この世界の人間と恋に落ちていいのかってずっと迷ってると思うの。私もかつてそうだった。その迷いを総悟が取り去ってあげれば、告白してもきっといい返事をしてくれる」
「迷い……だがそれは俺が言って片付けられるような単純なものじゃねェ」
「それでもいいんだよ」
「いいって……?」
意味がわからず、総悟は首をかしげた。
「恋をするのに、身分も境遇も世界も関係ない。そもそも、Aの抱える迷いに正しい答えなんて存在しない」
「正しい答えが無いって……それを言ったら全部そうじゃねーか」
「まあ、そうなんだけどね。だって私は神様でも知識人でもないし、なんにも良いこと言えないもの。ただ名言チックに言ってるだけ」
総悟が少しあきれたような視線を投げる。
「でもさ、『あなたは私にとって必要なんだよ』って言ってくれる人がいたら、もうそれだけで事足りると思うの」
「それは……」
「『自分はここにいていいんだ』って思うと、気持ちが晴れて、目の前がパッと明るくなる。私だったらね。だから総悟の想いをそのまま伝えれば、Aはきっと受け入れてくれる。未来のA(わたし)が言うんだから間違いない」
ミライの真っすぐな言葉に、総悟は自分自身の迷いが取り払われたような気がした。
「そうか……俺ァ、素直になればいいんですねィ」
「そういうこと」
「礼を言いまさァ。アンタのおかげでいろいろ吹っ切れた気がする」
それはよかった、と微笑むミライの脳裏に映っていたのは、はたして何なのか__
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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yunami☆彡(プロフ) - 夕焼けさん» コメントありがとうございます。定期的な更新は難しいですが、なんとか完結させたいとは思っていますのでなるべく頑張ります! (2021年6月7日 15時) (レス) id: dcfedc9460 (このIDを非表示/違反報告)
yunami☆彡(プロフ) - 那奈さん» 1年以上間が空いてしまって申し訳ないです。読んでいただきありがとうございます!なかなか滞っておりますが完結できるように頑張りますので、続きを更新した時は是非また読んでいただけると嬉しいです。 (2021年6月7日 15時) (レス) id: dcfedc9460 (このIDを非表示/違反報告)
夕焼け - めっちゃ面白いです!!最高すぎます、更新頑張ってください!! (2021年5月29日 18時) (レス) id: eaa7c87414 (このIDを非表示/違反報告)
那奈(プロフ) - スゴく面白いです!!大変だと思いますが更新頑張ってください!!楽しみにしてます! (2020年5月5日 23時) (レス) id: 4a3fdbf345 (このIDを非表示/違反報告)
yunami☆彡(プロフ) - ゆずみかんさん» ありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです(^^)少しずつ話を書き溜めてはいるので、時間を見つけて更新します! (2019年7月26日 20時) (レス) id: dcfedc9460 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yunami☆彡 | 作成日時:2019年6月29日 11時