第82話 ページ4
メネート星人の再来から1年後、これ以上の暴挙を許すまいと真選組らが反乱を起こした。
その鎮圧後少し経って、真選組局長や副長をはじめ中心人物が反逆罪で処刑されたという凶報が万事屋に届くまではさほど時間はかからなかった。
「……近藤さん達が、処刑された、と」
あまりにも信じ難い知らせに、誰もすぐには言葉の意味を理解できなかった。
「……ちょっと俺、耳の聞こえが悪いっぽいわ。新八、もう一回」
「殺されたんです。天人に」
あらためてその場に激震が走る。
「チンピラ警察マデヤラレタラ、モウコノ国ハ終ワリダヨ!」
「ゴリもマヨも死んだなんて、そんなの信じられるわけないネ! お前ガセネタ掴まされたんじゃないアルか!?」
「……公開処刑で、斬首されたのを見た方がいるそうです」
新八の表情を見て、神楽はそれが嘘偽りない事実だと悟ったらしく唇を噛み締めた。そして何を思ったのか番傘を引っ掴んで店を出て行こうとしたのをたまが制止する。
「クソッ、あの鬼畜ども……!」
銀時が拳を思いきり机に叩きつけた。
今まで散々腐れ縁だなんだと喚きつつ、幾度も共に剣を振るった万事屋と真選組。その関係はもはや腐れ縁などという一言ですら片付けられないものになっていた。
到底、受け入れられないことは自明である。
するとそれまで黙っていたミライがまくし立てるように問うた。
「そうご……総悟は? 総悟はどこにいるの!? 生きているの!?」
「沖田さんも処刑対象だったそうですが、行方をくらましているらしくて……恐らく脱走したのではないかと」
捕縛からの脱走。となれば十中八九、総悟は行方を追われている。出来ることはただひとつ、無事を祈るしかない。
「お願い……生きて戻ってきて」
*
一報はじきに届いた。
「大変だ! 今にも死にそうな真選組の兄ちゃんが河川敷に!」
万事屋が揃っている『スナックお登勢』に近所の男性が慌てた様子で駆け込んできて言うなり、がばっと席を立ったのはミライ。
「その人の特徴は!?」
「亜麻色の髪で、若くて」
「じゃあ間違いなく沖田くん……っておい!A!」
ミライは聞くや否や店を飛び出し、全速力で走った。
ずっと会いたくてやまなかった、大好きな恋人のもとへ。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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作者名:yunami☆彡 | 作成日時:2022年5月6日 12時