愛しい君 [エルキドゥ]

その4 ページ28

彼女はボクの髪を触りまるでボクみたいだと言った

ボクは兵器だ

そんなボクに何故彼女が、綺麗だと言ってくれたのかボクには理解できなかった

ルリ『そう言えばエルキドゥはなんで髪切らないんだ？』

撞突な質問だった

エルキドゥ「どうしてって…切って何かなる訳でもないしね」

ルリ『そうかな？スッキリすると思うけど』

彼女は不思議だ

神々から命を言われ、地上に舞い降りギルの前に立った時

君は突然現れたボクを警戒もせずにただ見ていた

傍から見れば傍観者

ボクやギル側から見れば監視者

ただただ壁に寄りかかりボク達の闘いを見ていた

止めるわけでもなく、参戦する訳でもなく

ただ見ていた

距離的に巻き込まれてもおかしくない距離だったのに彼女は一歩も逃げずにずっと見ていた

不思議に思ったボクは後でルリ本人に聞いた

[何故あの時逃げなかったんだい]

怖くて動けなかった

ボクはそう言うと思っていた

けど、帰ってきた答えは思っていた言葉とは違った

[別に。だってもしギルが君を殺してしまったらギルはまた深い泥の中に溺れる事になる。それはもう嫌だから。理由なんてそれぐらいかな]

最初は意味が分からなかった

けれどギルとルリといる内に″あぁ、こうゆうことか″

そう理解した

彼女は不思議なんじゃない

ただ優しいだけだったんだ

ルリ『お〜い、エルキドゥ？』

ルリに呼ばれボクはハッとした

ルリ『どうしたんだ、ぼうっとして』

エルキドゥ「……何でもないよ、ねぇルリ」

ルリ『？』

エルキドゥはルリの耳元で静かな囁いた

エルキドゥ「_____、______よ』

ルリ『！………////////////////////う、う、うるさい！この馬鹿！』

エルキドゥ「アハハ、素直じゃないなルリは」

何度でも言うよ

何度でも何度でも

″ずっと一緒、大好きだよ″









番外編END

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