愛しい君 [エルキドゥ]

60話 ページ23

ロマン「シバ02、06、09、破損！その揺れは局地的なものじゃない！時空だ!メソポタミア世界全てに起こっている空間断裂と推測される！一体、何が━━！」

ザシュッ

マーリン「っ……！」

マシュ「マーリンさん！？」

ルリ『！』

離れていたルリにもその光景は見えた

マーリン「……しまった、そういう事か。化かし合いにおいて、一枚上を行かれるとは」

エルキドゥ「ああ。そういう事さ、小賢しい夢魔。キミは″母さん″に夢の檻を仕掛ける事で、その目覚めを先延ばしにした。しかし眠りに落ちた母さんはボクに聖杯を与え、第一の息子とした。となれば、ボクの仕事はたった一つ。いかにして母さんを眠りから引き上げるか、だったが……なに、簡単な話さ。生きている内は覚めぬ眠りなら、″一度殺してしまえばいい″。」

マーリン「同調━━━本物のティアマト神と感覚を共有(シェア)する事で獲得した百獣母胎……！」

エルキドゥ「そう。そしてゴルゴーンは今″死んだ。″その死は同調していた彼女に到達し、深い眠りから解き放った。結果、キミは微睡む彼女の夢の中でその正体を晒し、無残に握り潰されたのさ。━━さて。三女神に夜時間稼ぎは、これで終わりだ。我らの本当の神(はは)の姿。人間(おまえ達)の原罪の姿をとくと見るがいい！」


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〜ペルシア湾〜

ペルシア湾の観測所では突然の揺れに観測員達が混乱していた

研究員A「これが王の言っていた滅びの時か！？至急、ウルグアイに使者を送れ！港も海も黒い泥に覆われてしまったと！現在それ以外の変化は━━変化、は━━」

研究員B「どうした！？屋上、何が見えた！？」

聞きなれない音が研究員の耳に届いた

研究員B「この音は一体なんだ！？何が起き━━━━━」

研究員A「━━━━━━━なんだ、あれは。」

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