泣いた先の向こう [鬼滅の刃] ″肆″

″肆″＿＿ ページ2

伊黒「泣咲！」

鬼「これでお前も傀儡の仲間入り…」

バシュッ

鬼「は…お前、何してんだよ」

鬼はふたたび目を見開いた

鬼「指の腱を、斬ったのか…？」

『お前の傀儡の術、毒が回る事で傀儡になるんだろう？なら、刺さった瞬間にその部分を無力化してしまえばいい。部位が無力化すれば、毒の回りは止まる』

鬼「お前、正気かよ…お前は人間だぞ、俺達みたいに直ぐになる訳じゃない。それなのに、斬ったのか！？」

『指の腱の一本や二本安いものだ。鬼より遅くても、治るものは治る』

当たり前の様に淡々と話すAに鬼は寒気を感じた

『お喋りは終わり、頚を貰うぞ』

ゴトン

鬼の頭が地に落ち転がった

鬼「クソ、クソクソクソクソッッ!!このままで…終わるかぁぁ!!」

鬼が塵になり消えると同時に、背後の殺気に気付き慌てて刀で防いだ

斬りかかったのは先程指を斬り落とされた隊士

伊黒「術が解けていないのか！」

「痛い、体が、今迄以上に!!制御も…出来ない!!」

ギィン

ガァン

「っ……頼む、殺してくれ!!」

伊黒「！」

『……』

「仲間を、もう…傷つけたくない!!」

『…一瞬で終わらせます、安心して下さい』

伊黒「待て泣咲!!」

泣の呼吸 壱ノ型 泣き叩き

バシュッ！

隊士の頸動脈に二連撃、斬撃が入った

「あり、がとう…」

隊士は礼を言うとばたりと倒れ、息を引き取った

これで任務は終わり

そう思い、帰ろうと踵を返した時

伊黒に肩を掴まれ振り向かされた

『何だ』

伊黒「何故だ」

何故

隊士を斬った事を言っているのは直ぐに分かった

『何故？私は頼みを聞いてやっただけだ』

伊黒「お前は間違っている」

″伍″＿＿→←″参″＿＿

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す