泣いた先の向こう [鬼滅の刃] ″弍″ (ページ9)

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一方その頃

蝶屋敷には炭治郎の刀を担当する刀鍛冶、鋼鐵塚蛍が来ていた

炭治郎「あーー!!鋼鐵塚さん!!怪我は大丈夫ですか、良かった!!」

大丈夫、そう言われた鋼鐵塚だったが息は荒かった

恐らく怪我が完治していないのだろう

鋼鐵塚「ハァーーッ、ハーーッ、ハァーッ、ハーッ、ハァァーーッ」

炭治郎「大丈夫じゃない感じですか！？」

そんな状態でも鋼鐵塚の刀への愛は強いのだろう

炭治郎に持ってきた刀を出した

炭治郎「あっ、刀…ありがとうございます」

新しい刀には煉獄の鍔も付いていた

炭治郎「煉獄さんの鍔だ!!小鉄君を守ってくれて、ありがとうございます…」

炭治郎の願いで、次の刀には形見でもある煉獄の鍔を付けて欲しいと頼んでいたのだ

そして上弦の伍である玉壺との戦いの最中

刀鍛冶の里の少年である小鉄が鳩尾を刺された時、炭治郎から預かっていた煉獄の鍔を入れていた為助かったのだ

「座ってください、大丈夫スか？」

隠の後藤が鋼鐵塚の容態を心配し椅子を出し、鋼鐵塚はストンと座った

鋼鐵塚「ハァ、ハフ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、刃…ハフ、刃…ハァ、刃を」

炭治郎「刃かな！？刀身も見ます」

炭治郎が受け取った刀をさやから抜くと、以前から黒かった日輪刀は前よりも漆黒を増していた

炭治郎「はぁ……凄い…漆黒の深さが違う…」

鋼鐵塚「鉄も質がいいし、フゥ、前の持ち主が相当強い剣士だったんだろう、フゥ」

刀身の付け根には、滅と彫られていた

炭治郎「滅の文字……」

鋼鐵塚「これを作った刀鍛冶が、全ての鬼を滅する為に作った刀だ。作者名も何も刻まず、ただこの文字だけを刻んだ。この刀の後から階級制度が始まり、柱だけが悪鬼滅殺の文字を刻むようになったそうだ」

炭治郎「そうなんですね、すごい刀だ…」

炭治郎は思わずプルプルと震えた

炭治郎「でも前の戦いでこれを使った時は、文字が無かったような…」

鋼鐵塚「…」

炭治郎「…」