#58 ページ15
炭治郎「俺からお願いしてもいいですか?」
『いいよ、やる気だね。じゃあ始めようか』
カァン
コォン
コォン
カァン
炭治郎とAの木刀がぶつかり合う速度は今までのどの隊士よりも早かった
『良い筋をしている』
炭治郎「ありがとうございます」
『でもまだまだだな、まだ鬼舞辻無惨には勝てない』
炭治郎「はい、その通りです…」
『時透を突破した割には私の動きに着いてこれていない、こんなに弱くて禰豆子を人間に戻すなんて出来るのか?』
炭治郎「っ…」
『(あぁ、やっぱり。お前は優し過ぎるんだよ、炭治郎。本来ならこの時点で怒る、けれど我慢した。偉いよ、お前は。でも悪いな、容赦はしない)…もしかしたら無理かもな、人間に戻すのは』
炭治郎「っ…そんな事はないです」
『何故言い切れる?鬼舞辻無惨という鬼が現れて約千年。それから今まで、鬼になって人間に戻った人間は1人もいない。出来るかもしれないと言うだけだろう、下らないな』
炭治郎「下らなくなんかないです。俺は、本気です」
『無理だ、鬼が人間には戻る可能性は0だ。鬼殺隊に入ったからといって必ず鬼が人間に戻る方法が見つかる訳はないだろう』
炭治郎「あります、必ず。俺は、そう信じています」
『信じていれば必ず願いは叶うという事か?』
炭治郎「……はい」
『…ふふっ、馬鹿だねぇ炭治郎は』
炭治郎「!?」
『信じていれば願いは叶う?馬鹿馬鹿しいにも程がある。信じていれば願いは叶うなら、鬼はいないんだよ!そんな頼りにもならないものを信じるからお前は弱いんだ。家族が死ぬのも当然だな』
カァン、コォン!
炭治郎「俺の家族を馬鹿にするなぁ!」
『事実じゃないか、家族が死んだ。それは紛れもない事実であり現実だ。お前は弱いんだよ、炭治郎。神も仏も信じたって助けてはくれないだろう?何もかも信じるだけ無駄なのさ。だから禰豆子も戻らない、鬼のままだ』
炭治郎「そんな事はない!俺がかならず戻す!」
そんな炭治郎を無表情で見詰めるA
周りから観ればとても冷たい人物に見えるだろう
だがそれは言葉には出さないだけ
今ここでこの訓練を止めてしまえば、炭治郎は技術は強くなっても心は迷いや戸惑いを持ったままになる
迷いや戸惑いは、敵の前では命取り以外の何ものでもない
『(辛い事を言って済まない、炭治郎。でも、お前に死んで欲しくないんだ…)』
ゴッ
炭治郎の顎の下に木刀が当たり突き上げられた
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華夜(プロフ) - 続編おめでとうございます!この作品とても面白くて、毎日更新楽しみに待ってます!頑張ってください!応援しています! (2019年11月29日 6時) (レス) id: 2f0d099fed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルサールカ | 作成日時:2019年11月29日 1時