泣いた先の向こう [鬼滅の刃]

#33 ページ34

『ほら、来たよ』

Aは子供の後ろを見た

ドスンッ！

手鬼「見つけたぁ」

子供「ひっ……」

助けを求めた子供は恐る恐る振り返る

そこには宇髄が連れてきたであろう手鬼

手鬼「逃げるなよ、早く食べたいんだ」

子供「い、嫌だ！死にたくない！死にたくな、ガァっ！？」

子供の腹に穴が開いた

『あ〜らら、早くしないから』

鬼は子供を鷲掴みにすると、口を大きく開け丸呑みにした

手鬼「ああ〜〜〜、美味かった…次、お前だ」

鬼はそう言い手をゴムの様に伸縮させ手を伸ばして来た

しかしAひらりと躱す

『待て、私はお前達を殺しに来た訳じゃない。仕事帰りと言うやつだ、仲間を探しているだけ』

手鬼「命乞いかあ？」

『だから仕事帰りと言っているだろう。ここら辺で、首に蛇を巻き付けた男を見なかったか？』

手鬼「知らないなぁ、見ていたら喰っている」

『そうか、ならいい』

手鬼「待ってくれよぉ、お前を……食べさせろおっ！」

鬼は体中に巻きついてる無数の手を自在に伸ばして来た

しかしそれもひらりひらりと躱す

『貪欲にも程がある、今なら見逃してやる。お前達の本来の相手は最終選別に来ている子供だ、私がお前達を倒してしまったら意味がない』

手鬼「俺を…舐めるのかぁぁ！！？」

鬼は次々と手を伸ばすが全て躱される

手鬼「あの男も、お前も、嫌いだァ！」

『派手に装飾を付けてるガタイのいい男か？』

手鬼「そうだ！左目に模様を描いていた！」

『あぁ、それは私の仲間だ。話しは聞いている、お前の手足を切り落として連れてきたらしいな。痛かっただろうが、殺されなくてこれ幸いとでも思っておけ』

手鬼「ふざけるなぁ！殺してやる！」

ボコォ！

次は地面から手が出た

『危ないな、いい加減にしてくれ。私は早く帰りたいんだ』

子供「ふざけるなぁ！喰わせろ喰わせろ喰わせろ！！」

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