白い監視官[PSYCHO-PASS] 3

#98 ページ1

バンッ

1係のオフィスに机を叩く音が響いた

狡噛「ふざけるな！納得のいく説明をしろ！」

宜野座「執行官が偉そうに何様のつもりだ！」

狡噛「そんな事立場の話をしてる場合か！俺達が逮捕したのに、取り調べも許されないなんておかしい！？」

宜野座「俺とAが決めた事じゃない！文句があるなら…」

『……』

狡噛「文句があるなら局長に直接言えか？執行官の俺が局長に会える訳ないだろ！実際に乗り込んで行って困るのはお前達だ、監視官」

狡噛は腹を立てながらオフィスを出て行った

常守「どうなるんですか、これ？」

口を「どうにもならないんじゃないかしら」

常守「……」

宜野座「とにかく、こっちは縢の捜索に全力を投入する。アイツの行動によっては、別の意味で公安局の命取りになりかねない」


･

そのすぐ後

狡噛、常守、Aの3人はNONA TOWERの地下4階へ来た

狡噛「此処から縢がどう消えるって言うんだ！？アイツはどんなにテンパっても逃げたりはしない。どんな時でも自分が生き残る計算が出来る男だ。消えたのは、アイツ自身の意思じゃない！」

常守「だったら拉致？誘拐？」

宜野座「それとも死体も残らない様な殺し方か。例えばドミネーターのデコンポーザーとかな」

『……』

言えなかった

縢が生きていると

しかしここで言ってしまえば狡噛がどんな手に出るか分かったものではなかった

『(ごめんなさい…)』

ピロロロロロ

常守のデバイスに宜野座から連絡が入った

常守「はい、常守です」

宜野座「[市民からの通報があった。故障されたドミネーターが放棄されていたそうだ。NONA TOWERから此処までは20キロはある。いくら暴動後の混乱とはいえ、１回もカメラチェックに引っ掛からないなんて事があるのか？]」

六合塚「[ドミネーターは間違いなく縢のものです、かなり酷く損傷してます。内蔵GPSも機能していない]」

宜野座「[自分で壊した？追跡を逃れる為に？]」

征陸「[或いは、そう思わせたい誰かの偽装工作]」

その会話にAは耳を塞ぎたかった

自分も恐らく見てはいけない物を見てしまった

縢の様に消されそうにならない事が不思議でならないくらい

そしてドミネーターの故障等は局長がしたと直感した

『(帰りたい…秀星の無事を確かめたい！)』

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