XXXVIII ページ42
〜夜〜
『まさか住み込みでなんて思ってもみなかった！あ〜、楽しい！』
フィップス「ハァ、遊びではないと言っているだろう…」
『分かってる！デリック･アーデンでしょ』
フィップス「あぁ、どうだった」
『うん、まぁ何か隠してるのは分かったよ』
グレイ「隠してる？」
『僕に大層懐いてくれてる″彼(グリーンヒル)″に聞いてみた。デリック･アーデンは知ってるかって』
グレイ「で、どうだったの？」
『″当たり″みたいだよ…僕がカマかけたんだ。怪しまれない程度にちょっとつつく感じでね。あの焦った顔…………僕達の後輩は嘘をつくのが下手みたい』
フィップス「……他に探りを入れてみるか？」
グレイ「そこまでする必要はないんじゃない。それはあのクソガキがやるでしょ」
『それだけじゃないよ。フィップスだってしってるでしょ。ウェストン校は寮同士の競い合いと寮同士の中は最悪。係わるのさえ嫌がる、僕達の時だってそうだったでしょ』
グレイ「あの時の赤寮はウザかったもんねぇ」
フィップス「……」
グレイ「確か青寮はファントムハイヴ伯爵がいるんだっけ？」
『じゃあ僕達は緑寮を探ればいい。本音言うと卒業してOBになってるけど他の寮の事はやっぱり好きにはなれないしね』
グレイ「特に赤寮とかね」
フィップス「俺は青寮が気に食わん」
グレイ「あれ、フィップスにも嫌いな寮あったんだ」
フィップス「嫌いではない。気に食わないだけだ。勉学だけ出来れば良いというものではない、スポーツ、勉学、刺繍が出来てこそ一流の執事」
『いつも思うけどなんで刺繍が入るの？』
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作者名：ルサールカ | 作成日時：2017年9月7日 0時
