3人目の女王の執事[チャールズ･グレイ] (ページ34)

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XXXI ページ34

グレイ「A…？」

『あ！グレイ！探したんだよ、何処探してもいないから』

そう笑う彼女の左頬には返り血がついていた

『どうしたの、固まっちゃって？ねぇねぇ！フィップスは？』

グレイ「………」

『グレイ？どうしたの？』

質問されるがグレイは返す事ができなかった

こんなAを見たのは初めてで戸惑ったのだ

『ねぇ～え～？グレイ～？』

いつもと違い猫の様に可愛いく抱きついてくる

下からボクを見上げる彼女は血のついた顔でボクに笑いかける

グレイ「……フィップスはまだ仕事中だよ」

『仕事？まだしてるの？もう夜だよ』

グレイ「！？」

驚いた

此処は地下だ

暗く足元がやっと見えるぐらいのこの地下で何故Aは今が夜と分かったんだ？

『グレイ！今日一緒に寝よ！むかしみたいにさ！』

パシッ

そう言いながら走っていくAの腕をグレイは掴んた

『どうしたの？』

グレイ「あ、………ボクと一緒に寝たいの？」

『？うん！』

グレイ「じゃあまず風呂入ろっか？」

『……グレイと？』

グレイ「うん、嫌？」

『ん～…いいよ！じゃあグレイ僕の髪洗ったね！僕がグレイの髪洗うから！』

そう微笑む彼女は間違いなくボクの愛するAのはずなのに、この血に塗れた彼女が少し怖かった…