XXIX ページ32
ヴィクトリア「Aの両親が暗殺され亡くなったのはAが4才の誕生日。あの時Aは幼いながらに…父親にある事をさせられていました。それは罪人の処分。グレンヴィルの家は代々英国に仇なす者を葬り、処罰してきました。Aはその第7代目当主でした。しかし幼く怖がりだったAにそれは酷だろうと思い、私は前グレンヴィル伯爵に命を言いました。″グレンヴィルはもう罪人を葬らなくてよい″と。これからは私の護衛に執事として仕えなさいと。けれど前グレンヴィル伯爵はそれを聞き入れなかった…私に隠れて自宅の屋敷の地下で罪人を牢に閉じ込め、Aに処分をさせていました。Aを家の道具として。Aのたまに見え隠れする残虐性はそのせいでしょう。それをジョンから聞いた私は決めました………グレイ、貴方には言いましょう。Aの両親、前グレンヴィル伯爵と伯爵夫人を暗殺、殺したのは私です」
グレイ「………」
薄々感じてはいた
前グレンヴィル伯爵達を殺したのは女王陛下だと
ヴィクトリア「前グレンヴィル伯爵はAが仕事を嫌がると牢に入れ、己の気が済むまでAを虐待していました。痛い事とは、その事でしょう。逆らえば自分が殺されるかもしれない。Aにとって父親は恐怖の対象でしか無かった。母親の方も助ける事をせず、Aが殴られれば自分に被害が来ないと思い、Aを放置していました。前グレンヴィル伯爵と伯爵夫人を亡き者にはした時、保護されたAは周りの全てに怯え私にしか口を利きませんでした。けれど、2人だけ話を聞いてくれる存在がいました。……貴方とフィップスです。以前から知り合いだった貴方とフィップスだけには、あの娘は素直でした。フィップスを兄の様に慕い、何よりあの娘はあの時から既に貴方が好きだと言っていました。だから私はをグレイとフィップスと同じ様に育てる様にと前グレイ伯爵に言い、執事として今まで仕えさせてきました。けれど……今回の件ですあの娘は思い出してしまった。今まであの娘には両親のうその姿を教えてきました。あの娘が苦しまない様に……」
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作者名：ルサールカ | 作成日時：2017年9月7日 0時
