3人目の女王の執事[チャールズ･グレイ] (ページ27)

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XXIV ページ27

乾いた音が病室に響いた

『え…』

一瞬何が起きたか分からなかった

ビンタをされたのだと理解したのは数秒経ってからだった

フィップス「いい加減にしろ……説教では済まなくなるぞ…！」

『ご、ごめんなさい…でも、グレイこの間も貴族の女の子に告白されてた。僕がいるって言ったから断ったみたいだけど。あんなに一杯女の子いるなら、こんな素直じゃない彼女より他の女の子に………気移りしてもおかしくないんじゃないかなって』

フィップス「…馬鹿なのかお前は。Aから見たグレイはそんな軽い男なのか？」

『ち、違うよ！グレイはカッコよくて、優しくて、強くて、誰よりも僕の事を好きでいてくれる…大事な人、だよ』

フィップス「……ハァ、分かってるなら大人しくしとけばいいんだ。だそうだぞ、グレイ」

『！？』

気付くと扉にグレイがそれはもう不機嫌MAXの顔で寄り掛かっていた

グレイ「安静にって言ったよね……フィップスに頼んで良かったよ。Aの事だから大人しくできないと思ってさ………Aから見たボクはそんな尻軽な男に見えたわけ？」

こっちも怒ってる……

グレイは怒りMAXの表情で僕に近づいてくる

見たことのないそのあまりの険悪な顔に僕はおもわず後ずさりをした

『だ、だって………グレイがカッコイイから僕が…や、焼きもち焼くんだよ…』

そう言いながら突然涙をポロポロと流し出した

グレイ「……泣いてもダメだから」

いつもよりワントーン低い声

分かる

確実に激おこだと

『だって……ふぇ…グレイ、船に乗ってた時も、ひっく……知らない女の子に声掛けられてじゃん…』

グレイ「それとこれ何が関係あるの？」

あぁ、これはお許しはいつ下りるのか…

声だけで分かるのだ

暫くは許してくれないと