3人目の女王の執事[チャールズ･グレイ] (ページ24)

今日:47 hit、昨日:1 hit、合計:300,814 hit

XXI ページ24

暫くすると、やがて船は真っ二つに割れ沈没した

そして何処から聞こえてくるか分からない唸り声が再び聞こえてきた

船員「この声は…？…」

乗客「一体何が起こっているんだ！？」

エドワード「生存者がいるかもしれない、引き返そう！」

船員「しかし！」

フィップス「この暗さで不用意に動くのは危険だ」

グレイ「それに、まだあの化物がいたらどうするの」

女の子「怖いよぉ！」

怯えていたのは先程ボートに乗る際に助けた子供だった

あの女の子は無事だろうか

両親に会えたのだろうか

だがボートに乗った以上安心ではあった

『大丈夫だよ。お姉ぇちゃんとお兄ちゃんが付いてるから、ね？』

女の子「うん……」

けれど違和感を感じた

女の子がずっと違う方向に目線を向けている

『どうしたの？』

女の子「お姉ぇちゃん、あれなぁに？」

女の子の目線の先には丸く浮かぶ何かの物体があった

傍目に見れば何かの漂流物だと思うだろう

だがAには分かった

あれが″先程の化物の頭″だと

それが分からないのか女の子はそれに手を伸ばした

『ダメ！！！』

バシャァ！

ビザールドール「アァァ″！！」

女の子「わぁっ！」

それに触れた女の子は海中に引きずり込まれそうになった

しかし間一髪でAがビザールドールの腕を切り落とした

しかし所詮は腕を切り落としただけ

頭を潰さなければ死なないビザールドールは今度はAに狙いを定めた

女の子を掴んでいたAの右腕を引っ張り海に落とした

グレイ「A！」

『っ！離………せ！』

引きずり込んだだけではなかった

右腕を噛み、とうとう致命傷になるであろう首筋を噛んだ

『(あぁもう…………今日はよく噛まれるなぁ…)』

首筋を噛まれれば流石にもうもたなかった

後は海の中でこいつらに喰われるか

それとも溺死か

死を覚悟した