【テニプリ】 長身長髪最強男子 【男主】2

九十一話 格上 ページ49

信乃「…僕が…手塚さんと…？」

何故かラケットを持った手が震えた

身体が急に冷たくなり周りの声が何処か遠くから聞こえる

信乃(…何で僕が手塚さんと…？

相手は全国優勝した青学の部長…

僕なんかがやって勝てるなんて…

海斗先輩やA先輩が手塚さんと戦ったほうが勝てる可能性高いのに)

トンっと何かが僕の肩に触る

信乃「？！…あ」

弧月「…怖いのか…？」

信乃「…！」

その言葉に一瞬驚いて顔を上げる

A先輩の目は優しかった

信乃「…そう…ですね…正直怖いです」

弧月「…そうだな…年上…そして格上を相手するのは…誰だって怖い」

信乃「…A先輩もですか？」

弧月「…あぁ」

A先輩は負けるところなど想像出来ないくらい完璧な人だ

そんな先輩でも…

弧月「…信乃…俺はお前と何度もラケットを交えた」

A先輩の目は真剣だった


弧月「…俺はお前の事を格下だと思った事は一度もねぇ

ひたむきに努力する姿をずっと見てきたからな

…それにあんなに俺と戦っておいて今更何が怖えんだ」


初めてだった

素のA先輩が僕に何かを言うのは

言葉はいつもより乱暴だけど心臓が高鳴る

信乃(…そうだよA先輩と今まで練習してた

雲の上の存在だと思ってた人と戦うなんていつもしてたんだ)

弧月「戦ってこい信乃」

信乃「…！」

弧月「…チームの事なんて気にすんな

お前はお前らしくやればいいんだよ

それでもし負けたらまた一緒に練習すればいいだろ」

信乃「はい！」



龍輝「…珍しく信乃に素を見せたじゃねぇか」

弧月「…」

龍輝「怖がらせたくないとか言って俺らにもあんま素を見せねぇのにな」

弧月「…煩いぞ龍輝」

龍輝「悪ぃ悪ぃ！ほら行くぞ！」

弧月「…わかっている」

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