梅原さんの専属マネ【男性声優】

32 ページ32

･

『あ、そろそろおつまみなくなりそうでしたよね
私もう吸い終わるんでコンビニでなんか買ってきますね』

江口「え、もう遅いんだから俺も一緒に行くよ！」

『平気ですよ、すぐそこですし
それに皆さん酔っ払ってるから何しでかすか分かりませんし
見張り役でお願いします笑』

江口「分かった笑
気をつけて行くんだよ？」

タバコを灰皿に押し付け火を消す
上着をかけ財布とスマホと鍵だけを手に持ち家を出る

『意外と冷えるな……』

そろそろ暖かい服でも買おうかなーなんて考えているとなんらかの視線が私に刺さる

後ろを振り向いても周りを見渡してもそこには誰もいない

『……気のせいか』

気のせいだとしても少し気味が悪いので急ぎ足でコンビニに駆け込みおつまみなど欲しいものだけを買い家に戻る

運悪く信号に引っかかってしまい立ち止まる
早く帰りたいのに…と思っているとどこからかシャッター音が鳴り響いた

『……』

心臓の鼓動がどんどん早くなるのが自分でもわかる
今この場所には私しかいない
恐らく撮られたのは私だ
どうしようという不安、恐怖の気持ちでいっぱいになっているとポケットにしまっていた私のスマホが震えだした

『っもしもし』

梅原「お前どこいんだよー
さっさとつまみ……」

『……切れた』

梅原さんの電話で我に戻った
信号も青に切り替わっていたので私は家まで後ろを振り向かず無我夢中で走った

･

33→←31

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す