狼煙（千空side） ページ2
千空side
次の日早速、俺達は火薬を作り始めた。
作り方は、至って簡単。硫黄に木炭に硝酸カリを混ぜて、ブッ叩いて固めるだけ！
「ぶっ叩くなら俺に任せろー！！」
と大樹は大きな石を持ち上げてやる気満々だ。しかし杠が、
「火打ち石的な火花でドカーンとか大丈夫！？」
と焦っている。
「なーに大丈夫だ。火打ち石に鉄が混じってなきゃ火花は出ねえよ」
そう俺が言ったところで、温泉のある火山には黄鉄鉱という鉄の混じった岩石があることを思い出した。が、もう遅い。
ガチコーンという音と共に、火花が散った。そして、作った火薬からジュッと嫌な音がし、危険を感じて身を引いた刹那、周囲の物が吹き飛ばされる様な大きな爆発が起こった。
(一瞬死んだかと思った…。今度からは大樹のパワーに気を付けよう)
黒煙は勢い良く空へと上っていく。
「ククク、大成功じゃねえか、火薬クッキング！」
「…これで司くんを攻撃、するの？」
俺が火薬のパワーに感心していると、威力に驚いたのか、杠が恐る恐るそう聞いてきた。
俺は答える。
「……いや、取引する。司は話の通じねえ殺人鬼じゃねえんだ」
その俺の言葉に大樹と杠はほっと胸を撫で下ろすが、もしも、司との取引が決裂したその時はー
(司を殺すしかない)
火薬が爆発してすぐ後のこと、俺達はその火薬を消していた。すると、杠が言った。
「千空くん、大樹くん。見てあれ」
そう言われて振り向くと、向こうの方に狼煙が上がっていた。
司とは逆方向。山火事としてはタイミングが偶然すぎるし、明らかに俺らの噴煙に反応して上がった。だとすれば……
「唆るぜ、これは！このストーンワールドに俺らの他に誰かがいる！！」
しかしどうする。火を消して司に居場所を知られないように安全を取るか、はたまた火を付けて生き残りに合図して未来を取るか。
「どうする千空！消すのか！？付けるのか！？」
大樹が俺に問いかける。俺達がすべき方は……
「点けるぞ！狼煙を上げろ！！」
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灯(プロフ) - 大変でしょうが、更新楽しみにしてます！ (2022年3月9日 21時) (
レス) id: 221a720fce (このIDを非表示/違反報告)
鳥ゐ（とりい）(プロフ) - ユーカリプタスさん» コメントありがとうございます！本当に長い更新停止になるので、申し訳ない気持ちでいっぱいです…。応援もありがとうございます！(泣) (2021年5月28日 23時) (レス) id: e1991bef49 (このIDを非表示/違反報告)
ユーカリプタス(プロフ) - 初コメ失礼します！受験か、懐かしい。いつもこの作品が更新されるのを楽しみにしてました！大変な時期ではありますが、体調などに気をつけて頑張ってくださいね！ (2021年5月27日 20時) (レス) id: 6cc1b97124 (このIDを非表示/違反報告)
鳥ゐ（とりい）(プロフ) - 紗々さん» ありがとうございます！！これからも読者の方々に楽しんでもらえるよう、頑張ります！ (2021年3月27日 20時) (レス) id: e1991bef49 (このIDを非表示/違反報告)
紗々(プロフ) - 初コメ失礼します。とても面白いです。更新無理のない程度に頑張って下さい。楽しみにしています…！ (2021年3月7日 21時) (レス) id: 41a73f412a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳥ゐ（とりい） | 作成日時：2021年3月2日 11時
