ド正論 ページ20
「Aの事が好き…ってことか?」
そう千空に問われた私は頷き、今までの自分の気持ちを打ち明けることにした。しかも私の好きな人、本人に。
千空のことだ。私の気持ちに気付くはずはないだろう。内心ちょっと複雑だけど。
「ずっと前から好きなんだ。接してても、私を嫌ってる様には見えないから、チャンスあるかなって思ってた」
私はソファーの背にもたれかかり保健室の天井を見つめる。
「…だけどその人は、誰に対しても優しい人なんだよ。誰とでも同じように優しく接する。だから、あー私だけじゃないんだーって。ちょっと残念だった」
その時の気持ちを思い出した私は、何故か涙が出そうになり千空に気付かれない様に、平静を装いグッとこらえた。
「それでそいつ何よりも大切なものがあってさ、まぁ、私なんかそっちのけでそれに没頭するわけ。私もその手の話は好きで楽しくて、一緒に話したりするけど、そいつが見てる方はその大切なもの。私なんかじゃないの。だから私の恋なんて叶わないんだよ」
ふと思わず笑いがこみ上げてきた。何故かって?
「人じゃなくて、まして私はその大切な"もの"に嫉妬してるんだよ。バカみたいじゃない?」
そう、私は科学に嫉妬しているんだと気付いたから。
千空から科学は取り上げられないし、気のいい千空は私だけに優しいわけじゃない。とんだ自意識過剰だったなぁ。
そろそろ千空の反応が気になった私は千空の方へ振り向き聞いた。
「どうです?こういう訳で私は落ち込んでいましたー。千空にとってはたかがそんなことかもしれないけど、私たち女子にとって恋の悩みは重大なの。と言う事で、何かアドバイスください」
両手を頭の上に出し、くださいのポーズを取る。
すると千空はうーんと考え出した。そして千空は口を開く。
「そいつを諦めるか、諦めないかは勝手だけどよ」
「ヒドい!」
まったく何を聞いていたのだろうか。こちとら割と勇気振り絞って話したんだぞ!
「おい、ちゃんと聞け」
あっ、まだあったんすね。すんません。
「つーかA。お前、自分の気持ち一度でもそいつに言ったことあるのか?話聞いてっと、その気持ち自分の中で完結させようとしてる様な気ぃすんだが」
思わず図星を突かれ、ゔっと声が漏れる。
入りませんでした。
中途半端ですが次に続きます→
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のの - おもしろすぎませんか? (2022年4月26日 19時) (レス) @page50 id: 39b5b02acb (このIDを非表示/違反報告)
鳥ゐ(とりい)(プロフ) - Nebelさん» コメントありがとうございます!こうして言葉として感想をいただけるのは、より嬉しくなりますね!これからも頑張ります!!! (2021年1月30日 23時) (レス) id: e1991bef49 (このIDを非表示/違反報告)
Nebel(プロフ) - 初コメ失礼します!ワイはこの手の話が大好きなんで、心情舞い上がっております(笑) 続きも楽しみにしています!頑張ってください!( `・∀・´)ノ (2021年1月28日 0時) (レス) id: 758ebcb85a (このIDを非表示/違反報告)
鳥ゐ(とりい)(プロフ) - スモモさん» そう言ってもらえて嬉しいです!ありがとうございます!! (2021年1月7日 23時) (レス) id: e1991bef49 (このIDを非表示/違反報告)
スモモ - ヴっ!!!いい!すごくいいっ! (2020年12月1日 22時) (レス) id: ba34499442 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鳥ゐ(とりい) | 作成日時:2020年8月7日 22時