帝國図書館日乗！【彼岸花】

呪い〈徳田秋声〉＊亜紀人様リク ページ10

この話は【好奇心】の話に関連しています。

そちらを読んでからこの話を読むことをおすすめします！

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呪いなんて、実は簡単に人にかけられるものだ。

摩訶不思議なモノにはお生憎様よく分からないが、人が毎日のように使う呪いなら私も知っている。


それは文字だ。


文字を素材として形作られた文章という凶器だ。


藤村が言っていた凶器…ようやく分かった。


私はとっくのとうに母親から文章という凶器、否呪いを受け取っていたのだ。


藤村はその存在を分かっていたのだろうか。

その存在を分かっていたからこそ、ノートに何も書かずに両親の話を中断させたのだろうか。


気を、使わせてしまった。


そんな事をぼんやりと考えながら玄関の階段に座っていると、目の前に止まる一人の姿が目に映った。


「…何してるんだい？」

『…別に、何も、してない』

「嘘だね。そういう顔をする時は大体僕達関連のことで考え事をしている時だ」


秋声はそこまで言うと、しゃがみ込んで私に目線を合わせてくる。

きっと私の顔は苦笑を零しているだろう。


流石は最古参と言うべきか。


『よく分かったねぇ』

秋「そりゃあ、僕達一番最初に会った者同士だし」

『だからって分かるわけじゃないと思うよ』


現に私は秋声の考えていることが分からない。

それが普通だろう。


秋「…んー…」

『？秋声？』


私は少し困惑しながら秋声を見ると秋声の決して地味とは言えない整った顔がすぐ横にあった。

うぉ、イケメン。心臓に悪い。


秋「…別にいいんじゃない？」

『………えーーと…何が？』


すると秋声は何処か驚いたように目を少し丸くして、さも当たり前かのように言った。





秋「え、僕がAの思っている以上に見ていたって事だから…別にAの思っていること分かったっていいんじゃない？」





『……は？！！！』


この人すらっととんでもないこと言った。

な、何かそれって…


秋「？どうしたのさ、顔赤いけど」

『な、何でもないｯｯｯ！！！』







変に意識しちゃうやん！！あほんだら！！！


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亜紀人様、リクエストありがとうございます！！

秋声って地味地味言われてるけどそこまで地味じゃない気がするんだよなぁ、そう思って書きました！

思っているモノと違ったら伝えてください！新しいモノ書いちゃうんで！

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