調べ物〈織田作之助〉 ページ28
「A〜」
『なーにー』
下から声がしたので目線を下に下ろすと、長い一本の三つ編みを揺らしながら男性が此方を見上げていた。
「何でそんなところに居るんー?」
『あー…ちょっと調べ物をしてたのー!』
しかし男性は「ん?」っと言いたげな顔をしてきたので仕方なく降りることにした。
まぁ、確かに本棚の一番上でガサゴソしてたらそら目に付くわな。ごめん。
ぱっと手を離して落ちてみると、その男性はギョッとした顔をした後私の事を姫抱きにして受け止めてくれた。
ナイス。
いや、ぶっちゃけアルケミストの力乱用して床をクッション状にしちゃおうと思ってたんだけど…まぁ受け止めてくれたし良いとしよう。
『あんがと!』
「どういたしまして〜…でも、Aは女の子なんやから簡単に身を投げたりしたらあかんよー」
『身を投げるって…物騒だなぁ』
それに人より強く出来てる体は最大限に活かしていかないと意味無いよ。訛ったらやだし…。
そう思いながらパンパンっと服を叩いてホコリを落とすと、持っていた一冊の本を目の前に出した。
『ん』
「?これは?」
『織田作が求めていた答えです』
しかし織田作は尚も分からないっと言う顔をして、終いには首を捻って此方を見てくる。
…ふむ。
『昔の童謡とかが書かれている本だよ』
織「あ!そうなん!」
今度は分かったらしく、満面の笑みを浮かべて手をポンっと叩いてみせた。
うむ、よろしい。
私はその返答をもらうと、本の中身を一回確認するために大雑把にペラペラっと頁をめくってみる。
織田作も私の肩に顔を乗っけて本の中身を除いてきたので、少し織田作側に本をずらしてみた。
織「ほー…外国の昔話って感じやなぁ」
『そうだねぇ…ま、思いの外いいものが見つかって良かった』
ちゃんと七夕の事も書かれてたし。
パシッと本を閉じて自室に戻るため体を方向転換させて歩き出すと、織田作も軽い足取りでついてきた。
『ん?』
織「ん?」
いや、ん?っじゃなくてね。
『え、何でついてくんの』
織「面白そうやから!…まぁ、それに」
『?それに?』
織田作の方に顔を向けた途端。胸元に抱えていた本をいとも容易く持ち上げた。
片手で。重い本を。
『な?!』
手を伸ばして返してもらおうとするが届かず歯を食いしばると、織田作は愉快そうに笑いながら司書室の方向へと足を進めた。
織「こういう力仕事は男に任せるもんやで、A!」
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新美悠華@文アル大好き💛 - リクエスト良いですか?夢主ちゃんが死にたがってたらを秋声君と志賀さんで御願いして良いですか? (2023年3月19日 9時) (レス) @page25 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
新美悠華@文アル大好き💛 - 秋声のどこが地味なん検討つかへんやるときはやる人なのにね (2023年3月19日 9時) (レス) @page10 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
法蓮草(プロフ) - 朔さん» リクエストありがとうございます!!全然大丈夫ですよー!!私も坪内先生と司書ちゃんの絡み見てみたいですから!wwもう作品がいっぱいになっちゃったので次の作品で書いちゃいますね! (2018年7月15日 7時) (レス) id: 6397094652 (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - 長文失礼しました。 (2018年7月15日 2時) (レス) id: f66b36a2fa (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - いつも更新楽しみにしています!!毎回毎回とても面白くて大好きです...!リクなのですが、テーマは何でもいいので坪内逍遙と司書ちゃんを絡ませてほしいです...!無理でしたら大丈夫なんです!!これからも更新頑張ってくださいね!! (2018年7月15日 2時) (レス) id: f66b36a2fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:法蓮草 | 作成日時:2018年5月28日 22時