具現化〈国木田独歩〉 ページ14
…頭が、痛い。
最近昔のことを鮮明に思い出してきたからか、それともストレスのせいなのか、頭が痛くなる。
明らかに私に関しての危険信号だろう。
『ちょっこし…はいだるい』
はぁっとため息をつくと、その口を誰かの手が覆ってきた。大きな手だ。温かい。
「ため息つくと幸せが逃げるぞ〜」
『む』
真上から声がしてきたので顔をあげようとしたが、頭の上にその人の顔が置かれたため向けない。
声だけで当てるか。
『何用じゃ、国木田独歩』
国「何用もございません、A様ってな感じか？」
笑いながら顔をどかしてくれたので、本を元に戻すために席を立つ。
すると国木田は小さく「ん？」と言うと、引き出しにあったものを取った。
しかしモノがモノだったので、私も小さく『あ』と声を上げ国木田の持っているものを取ろうとする。
でも身長差十二センチ、取れない。
それをすんっとした顔で眺めていた国木田は、どこか悲しそうに笑いながら此方を見据えた。
国「おいおい、Aサン？」
『…何』
国「コレは、一体どういうことだ？」
コレと言って目の前に持ってきたのは私の引き出しに収められていた一つのものだ。
『…見ての通り』
国「はははっ、そうか。見ての通りに解釈しろってことかぁ…じゃあ」
国「なんで引き出しに【包丁】が入ってんだよ」
『…ッ』
今の国木田なら万物のものを冷感させられるだろう。
私は怖じけずいて、少し身構える。
説明した方が身のためそうだ。
『それは』
国「うん」
『それは本物の包丁じゃないよ』
国「…うん？」
どういうことだ？っと首を傾げた国木田に、私は百聞は一見にしかずの言葉通りにする。
『包丁、貸して』
手を差し出すと、ほいっと言った感じに国木田は私の手に冷たい包丁を置いてくれた。
そこで私は手に意識を集中させる。
次の瞬間、包丁はボロボロと分解されたかのように文字化けしながら跡形もなくなった。
国「なっ…？！」
『あ、ちょっとした錬金術だから安心して』
異様に驚いてたから、此方が驚いたわ。戦いで、もうこういうのは見飽きたかとばかり思ってた。
国「た、確かに包丁じゃなかったな…じゃあアレは何だったんだ…？」
私も詳しくは知らない、気がついたらよくあるのだ。
どんなに消しても出てくる。
でも一つだけ分かっていた。
『多分、私の人生に大きく関係したものを具現化させてるんだと思う』
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新美悠華＠文アル大好き💛 - リクエスト良いですか？夢主ちゃんが死にたがってたらを秋声君と志賀さんで御願いして良いですか？ (2023年3月19日 9時) (
レス) @page25 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
新美悠華＠文アル大好き💛 - 秋声のどこが地味なん検討つかへんやるときはやる人なのにね (2023年3月19日 9時) (レス) @page10 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
法蓮草(プロフ) - 朔さん» リクエストありがとうございます！！全然大丈夫ですよー！！私も坪内先生と司書ちゃんの絡み見てみたいですから！wwもう作品がいっぱいになっちゃったので次の作品で書いちゃいますね！ (2018年7月15日 7時) (レス) id: 6397094652 (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - 長文失礼しました。 (2018年7月15日 2時) (レス) id: f66b36a2fa (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - いつも更新楽しみにしています!!毎回毎回とても面白くて大好きです...!リクなのですが、テーマは何でもいいので坪内逍遙と司書ちゃんを絡ませてほしいです...!無理でしたら大丈夫なんです!!これからも更新頑張ってくださいね!! (2018年7月15日 2時) (レス) id: f66b36a2fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：法蓮草 | 作成日時：2018年5月28日 22時
