検索窓
今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:52,304 hit

5話 ページ5




「白福」

「みっ、赤葦」

「……み」

「うるさい。なあに?」

「ボール。一個残ってた」




もはやどんな反応が返ってくるのか楽しくなってきたな。




少しほこりっぽい倉庫に足を踏み入れて、ボールを手渡す。


ありがとう、とふにゃり笑って、俺が来るまでやっていたであろう片付けを再開した。

薄暗くってもよく分かる。


どこか、楽しそうだった。





「なんか良いことあった?」

「かおりちゃんとゲームして勝った。から何か買って貰う」

「なんのゲーム?」

「ポーカー」

「うわ勝てなそう」

「赤葦が一番強そうだけどね」




くひひ、と笑われてそれもそうかもしれないと思った。




なんでトランプ持ってたんだろう、という疑問は後から湧いた。


それよりも別のことに、気を取られていたから。




「聞きたいこと、なんだけど……」

「ああ、うん。……え?今?」

「今」




数秒動揺したように口をぱくぱくさせたけど、プラスチックのカゴを所定の位置に戻して、ばっちこい、と言って俺の真正面に立った。



ちょっとだけ緊張したような、畏まったような顔で、ヘーゼルは相変わらず綺麗で。
少し笑ってしまった。





「あのさ、半年前のあれ、大丈夫だった?」




一秒。

二秒。

三秒。



たっぷりかけて、ぶわあああっと。


え、




「そっ、の節は大変、お見苦しいところをっ、大丈夫ですありがとうございます!」





そう一気に捲し立てた白福の顔は、びっくりするくらい、




真っ赤、だ。



こっちが面食らってしまうくらいに頬も、耳も、首筋も、見事に赤く染まっている。


白福なのに。




「まって、ちょっと、」

「え?な、なに……」

「ごめん、ちょっとストップ」

「なにを?」

「タンマ」

「ハイ」





俺の中で、ぐらり、何かが揺れた。




6話→←4話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (54 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
132人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , 赤葦京治   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

飛鳥(プロフ) - シェルファさん» コメントありがとうございます!お待たせしてしまい申し訳ありません今公開しました!引き続きよろしくお願いします! (2019年6月30日 15時) (レス) id: d93720a371 (このIDを非表示/違反報告)
シェルファ(プロフ) - あー、早く続編が見たいです! (2019年6月30日 11時) (レス) id: ed405ee373 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:飛鳥 | 作成日時:2019年5月4日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。