5話 ページ5
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「白福」
「みっ、赤葦」
「……み」
「うるさい。なあに?」
「ボール。一個残ってた」
もはやどんな反応が返ってくるのか楽しくなってきたな。
少しほこりっぽい倉庫に足を踏み入れて、ボールを手渡す。
ありがとう、とふにゃり笑って、俺が来るまでやっていたであろう片付けを再開した。
薄暗くってもよく分かる。
どこか、楽しそうだった。
「なんか良いことあった?」
「かおりちゃんとゲームして勝った。から何か買って貰う」
「なんのゲーム?」
「ポーカー」
「うわ勝てなそう」
「赤葦が一番強そうだけどね」
くひひ、と笑われてそれもそうかもしれないと思った。
なんでトランプ持ってたんだろう、という疑問は後から湧いた。
それよりも別のことに、気を取られていたから。
「聞きたいこと、なんだけど……」
「ああ、うん。……え?今?」
「今」
数秒動揺したように口をぱくぱくさせたけど、プラスチックのカゴを所定の位置に戻して、ばっちこい、と言って俺の真正面に立った。
ちょっとだけ緊張したような、畏まったような顔で、ヘーゼルは相変わらず綺麗で。
少し笑ってしまった。
「あのさ、半年前のあれ、大丈夫だった?」
一秒。
二秒。
三秒。
たっぷりかけて、ぶわあああっと。
え、
「そっ、の節は大変、お見苦しいところをっ、大丈夫ですありがとうございます!」
そう一気に捲し立てた白福の顔は、びっくりするくらい、
真っ赤、だ。
こっちが面食らってしまうくらいに頬も、耳も、首筋も、見事に赤く染まっている。
白福なのに。
「まって、ちょっと、」
「え?な、なに……」
「ごめん、ちょっとストップ」
「なにを?」
「タンマ」
「ハイ」
俺の中で、ぐらり、何かが揺れた。
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飛鳥(プロフ) - シェルファさん» コメントありがとうございます!お待たせしてしまい申し訳ありません今公開しました!引き続きよろしくお願いします! (2019年6月30日 15時) (レス) id: d93720a371 (このIDを非表示/違反報告)
シェルファ(プロフ) - あー、早く続編が見たいです! (2019年6月30日 11時) (レス) id: ed405ee373 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飛鳥 | 作成日時:2019年5月4日 23時