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彼女が居ない病室のベットの上。



俺はゆっくりと腰を落とし、折鶴をマジマジと見つめてみる。


なんの意味か言ってくれないと分からないし、
そもそも、折り鶴はぐちゃぐちゃで下手くそだし。




「....せっかく教えたのに。」




そう思いながら、彼女と過ごした短い期間の思い出を思い出す。


彼女とは、たくさん話をした。

子供にしては大人びていると思った。
だけど、子供らしく笑う事もあった。


けたけたと笑う姿は、案外俺のお気に入りだった。



ぐちゃぐちゃの折り鶴をいじっていると、
少し形が崩れて中身が見える。




「.....これ。」




折り鶴を全部広げて白い部分を見ると、
そこには、彼女らしい、綺麗な字でこう書いてあった。






*先生は長生きしてね*




文字を見て、折り鶴にぼたぼたと黒いシミが出来ていく。




彼女は、人はいつか皆死ぬよと言っていた。

彼女自身が死ぬことを知っているから。

延命治療を受けなかった。

家族にこれ以上悲しい思いをさせたくないから。








「あのね、ドクター、私、本当は死ぬのが凄く怖いよ。」




彼女は強がりだった。




「っ.....」



おかしな子だった。

死ぬことに恐怖を抱かない、珍しい子だと、
そう思っていた。

人はいつか死ぬといいながら、俺の命を気にかけるような。




「ぁっ...うぅぅ。」





どうしようもない変わり者だった。

ね→←た



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ぱぷり子(プロフ) - お眠のねむさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けると嬉しいです!最後まで読んでいただきありがとうございます! (2018年9月25日 6時) (レス) id: baa033ac3c (このIDを非表示/違反報告)
お眠のねむ - 切ないのすき。、、、、、そうだね。いつか死ぬんだよね。今を大事になんて、綺麗事かもしれんけど、でもいい思い出にしたいよね。うん。学ばせていただきました( ∩ˇωˇ∩) (2018年9月24日 23時) (レス) id: e0f075e31d (このIDを非表示/違反報告)
ぱぷり子(プロフ) - いぬじゅん。さん» コメントありがとうございます!そう言って頂けると嬉しいです!頑張ります! (2018年9月24日 20時) (レス) id: baa033ac3c (このIDを非表示/違反報告)
いぬじゅん。(プロフ) - とっても切なくて、感動しました!!素敵な作品をありがとうございます。私もこんな作品書けるようになりたいです…(笑)これからも頑張ってください、応援しています! (2018年9月24日 20時) (レス) id: c04535af07 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぷり子(プロフ) - 桜朱さん» うわー!めちゃ嬉しいです!( ; ; )ありがとうございます! (2018年9月24日 19時) (レス) id: baa033ac3c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱぷり子 | 作成日時:2018年9月24日 14時

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