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季節の変わり目、シトシトと降る雨はここ最近続いている。

残暑と重なりジメジメとした空気はいつにもましてやる気がなくなる。


「あ、Aー今日の放課後空いてる?」


昼休み、大混雑の食堂で日替わりAランチを食べ終えたオレ。

その、向かいの席で幸せそうにオムライスを食べている愛斗が、放課後の予定を聞いてきた。


『え、めんどくさい』

「まだ何も言ってないよ!?」


どんな用事にせよめんどくさいので常にこの対応である。

ひどいなー、と言いつつも目の前のオムライスを頬張る愛斗。

せめて食べる手を止めてくれ。


『で、放課後何があるの?』

「ふぁひうふぃんひょ『口の中無くなってからでいいぞ』」


愛斗はコクリと頷き、しばらく口を動かしオムライスを飲み込んだ。

頼れるのに少し抜けているというかなんというか、まあ、彼らしいといばそれまでなのか。

まだ出会って半年ほどの彼とは同じ大学の同じ学科で入学式の日に歌い手として活動していることを見破られ仲良くなったのだ。

何でも生放送を聞いていてくれたらしくすぐに分かったらしい。

そんな彼も歌い手であり、オレと違い有名な歌い手さんたちとコラボしていたりする。


「マイク新調しようと思って、ついてきて欲しいなーと」

『今日雨なんだけど、』

「A雨の日出掛けるの嫌いだよね」


だって濡れるし寒いし、そんな日に買い物なんてしたくない。

早く帰ってごろごろしたい。


「て、ことでよろしくー」

『は?』

「俺次の講義とってるからまたねー」


嵐のように去っていく愛斗。

人の返事も聞かずに行ってしまった、、

せっかくバイトが休みなのに、まあ仕方がないか、、、


オレは次の講義まで1コマ空いている。

いつも通り人気の少ない図書館の奥で尊敬してやまない”あの人”のアルバムをリピート再生する。

この間のグループでのライブもよかった。

ライブの時は柄にもなくテンションが上がってしまう。

雨の日でも”あの人”の歌を聞くといい事がありそうな気がしてくる。


好きなことをしていると時間が過ぎるのが早いようで、気づくと講義の終わりのチャイムが鳴っていた。

今日は次の講義を終えれば帰れ、ない、愛斗との約束がある。

ちょうど新しいヘッドホンが欲しかったところだからいいか。


頑張るぞーとオレはひとつ大きく伸びをして図書館をあとにした。


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天月くんの出番は次、のはずです( 'ω')

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作者名:浅葱 | 作成日時:2015年8月28日 19時

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