【リボーン×ワンピース】死んだ筈の死の外科医はリング戦に参加します。

第81話 ページ31

縦に割れたモスカからゆっくりと倒れてきたのは体を布で巻かれ、太い数本のベルトで手足を固定されている白髪の老人。体に繋がれていた多くのチューブがブチッと音を立てて外れた。

綱吉｢っぇ、ひと、な、んで！？どうして中から人が…それに、この人って…っは、どうなって、｣

それを見て顔色を変えたリボーン。


ロー｢行くか？｣

ﾘﾎﾞ-ﾝ｢あぁ、頼むぞ…｣

そこ近づいて片膝をついたローの肩から飛び降り、どこから取り出したのか救急箱を持ってその老人──現ボンゴレボスである9代目の元へと駆け寄る。


ロー｢危ない状態だ、熱が高いし息も荒い。腹部から血が滲んでるな…これじゃ外傷が見えねェ、とりあえず上のベルトを外すぞ。｣

ﾘﾎﾞ-ﾝ｢酷く衰弱してるぞ…おい、しっかりしろ！｣


チラリとゴーラモスカの内部を見たリボーンは舌打ちをこぼす。

ﾘﾎﾞ-ﾝ｢このモスカの構造、前に一度だけ見たことかある…9代目は、ゴーラ・モスカの動力源にされてたみてーだな。｣

ソフト・ハットの影に隠れた顔は伺えない。ただ、いつもより数トーン低い声が放たれるリボーンからはピリピリとした空気が漂う。


獄寺｢！っ動力源っ！？｣
ﾊﾞｼﾞﾙ｢な、9代目が？そんな…っ｣

綱吉｢どうして！？だって9代目はザンザスの…｣



ザン｢どーして、じゃァねぇだろ───？｣


冷たく鋭いアカイ眼が綱吉を見下ろす。


ザン｢わからねェのか？
他でもねぇてめぇが、9代目を手にかけたんだ。｣


綱吉｢おれ、が？｣






ロー｢ん、外れたが…だいぶん深いな、抉れてる。｣

ﾘﾎﾞ-ﾝ｢応急処置で何とかなる傷じゃねぇ、｣

ロー｢出血が酷い。箱の中ガーゼ入ってるか？｣

ﾘﾎﾞ-ﾝ｢あるぞ。｣

ロー｢貸せ。それを詰めて一時的に止めておく。何もしないよりはマシだろう。｣






ザン｢誰だ？じじぃを容赦なくぶん殴ったのは、
誰だぁ？モスカごとじじぃを焼き切ったのは。｣


綱吉｢お、おれ、が…9代目を……｣



？｢ちがう｣


細く小さな声、たがそれはその場に響いた。

？｢悪いのは、私だ…｣


綱吉｢き、9代目！！｣

ﾘﾎﾞ-ﾝ｢目が覚めたか、無理して喋るな。｣


労る様子の2人に目元を和らげる9代目。

9代目｢ありがとうリボーン…だが、いま、伝えなければならない事があるんだよ……｣


視線が不意にローに向けられた。

9代目｢君も、ありがとう…｣

ロー｢気にするな、礼を言われることでもない。
怪我人を医者が診るのは当然のことだろ？｣


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