【銀魂】吉原のお母さん【男主】

現在進行形 ページ13

日輪side





『おはよう、日輪。今日もなんやムカつくくらい、ええ天気やなあ。』



あの人の朝は昼だった。

あの人の昼は夜だった。

…あの人に、朝は無かった。



「もう昼だけどね。はあ、一体何回このやり取りをすればいいんだい？」


『嫌いやあらへんのやろ？』


「…馬鹿。」


『ははっ、堪忍な？』





何時だったか、言ってたじゃないかきつねさん。太陽は苦手だ、って。



ー朝の光は、僕の目には眩し過ぎて敵わんわ。ー



その言葉を信じてた。






なのにアンタは、行っちまったじゃないか。駆け落ちなんてのも悪くない、なんていうアンタの冗談がプロポーズだったらと願ったことは少なくないんだよ。
遊び人のアンタに惚れて、私だけを見てほしいけど束縛もしたくなくて。

ほんとうに、アンタって人は。



「…罪な男だね。

ねえ？きつねさん？」




私の心を、離さない。




『あ、あはは〜。久しぶりやね日輪。えらい別嬪さんになってて、もう僕惚れてまうわ〜。あはは〜。』


「わざとらしいですよ、きつねさん。」


「そうネ。男なら地べたにおでこ擦り付けるくらいの土下座見してみろヨ。」


「いやそれ男がやったら情けないからね神楽ちゃん！」


『…野次馬すんな、阿保共め！』






楽しそうにしてるきつねさん達を横目に、銀さんに言う。




「ありがとうね、銀さん。」


「…程々にしとけよ。」


「何がだい？」


「…。(女ってやっぱ怖ェ〜！！)」




きつねさんを見つけてくれたお礼としようじゃないかい。この際銀さんのことは見逃して、きつねさんに向き合う。




「今まで何処で何をしてたのか、きっちり話してくれるよね？きつねさん？」


『…あ、え、う、うん。』


「月詠も居るんだ。逃がしやしないよ。」


『…顔怖いで〜？なあ日輪、一旦落ち着こ？』


「問答無用。行くよ。」


『…チャイナガール！愛してる！何でもええから僕のこと助けてくれへんか？！』


「見苦しいよきつねさん。」





この恋心は、どうやら現在進行形。しかしまあ、会わないうちに随分とまたヘタレになったね、きつねさん。はあ、情けない。

終わり ログインすれば
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