Spicy Spicy(中・短編) (ページ6)

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(佐久間)

1週間後

電話しても

彼は全く出なかった

恋人と喧嘩して

電話かかってきたら

秒で出るもんだよ...ね？

俺がおかしいのかな？

｢阿部さんなんて？｣

｢電話、出なかった。｣

｢...相当怒ってますね｣

俺はずっていても構わないですけどね？

なんて言う、目黒。

何回かけても、出ない電話。

...何だか、違和感があった。

｢ごめん、ちょっと｣

｢え、佐久間くん？？｣

俺は目黒と康二の家を出て

彼の元へと、急いで向かった。

時間は深夜。

彼の仕事は終わってる。

電話に出ないはずがない

着信拒否しない限り。

メールも既読がつかない。

俺は呼吸を整えて

電車を待った。

電車の中で

『阿部ちゃん、仕事終わってる？？』

『起きてる？？』

『今、忙しい？？』

送るけど、既読がつかない。

ざわざわする胸。

浮気とかじゃなくて

もっと、別の

｢お願い、気のせいであって...｣

俺は降りなれた駅の階段を

小走りで駆け上がって

彼の家まで、まっすぐ向かった。