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(深澤)
知らない方がいい真実もある
お話の世界だと思っていた
お義母さんから聞かされていたこと
彼にその話をする前に
持っていたベルをチリリンと鳴らす
彼はガバッと起きて
｢どういうことだ...｣
今にも掴みかかろうとするので
彼をベッドに座らせたあと
彼にあの話を聞かせた
｢むかし、むかし...｣
｢は？｣
｢神様は、二人の息子に2つの選択肢を与えた...｣
｢2つの選択？｣
｢1つは魔法の力、もう1つは科学の力...｣
｢魔法...か、｣
｢魔法を選択した息子は魔人となり
科学を選択した息子は人間となった｣
｢ほう...それで？｣
まだ、雨は降っている
俺の事をまっすぐ見つめて
真剣に話を聞く彼は、
何となく目に殺気を含んでいる
まあ、騎士ならではだと思う。
｢罪を犯 した魔人は、人間界へ追放される
よく、わかってるでしょ？？｣
｢...ああ。｣
｢君が、ヒカル？｣
｢...そーだよ。｣
少しの間を置いて、彼は観念して
｢ヒカルは俺。お前の母さんは俺の母さん。｣
｢そうなんだ。｣
｢大体、結婚してるのに、他の世界で家庭作って、
俺らの苦労なんて知らないんだろうな。｣
髪の毛をかき揚げて、床の木目を睨みつける彼は
恨みと憎しみ、そしてどこか
寂しさと悲しさを漂わせていた。
｢いつでも、逃げることができるように、
この剣を持たせたんじゃない？｣
｢は？｣
｢ここは、お母さんが作った結界。
人間界でも魔界でもない場所。｣
｢俺らのために作ったってことか？｣
理解できないって顔。本当に眼力が強い。
｢君は迫害を受けていた、僕も迫害を受けていた。
そんな俺たちの隠れ家っていうか
逃げ場って感じ？？｣
｢ははっ、何それ。｣
乾いた笑い声。一切笑ってない、彼の目。
｢ねぇ、お母さんに何されたの？｣
｢洗脳...に近いかもな。｣
｢洗脳？｣
｢今度は、俺のターンだ。｣
俺はそばに置いてある椅子を見ると
椅子は俺の元に歩いてきた。
これに腰掛けると、
｢随分前の話だ...｣
雨は強まって、屋根を打つ。
(いつか、続きを書きます。)
終わり
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作者名：すたっこ
| 作成日時：2019年6月17日 22時
