Salty Laichi(×めめ)

名もない花に祝福を(？めめ) ページ13

(目黒)



うちの学校は







体育会系の学校。









サッカー部は全国レベル。









県外から沢山来るんだ。









こんな片田舎、いや、
ド田舎に来る人の気が知れない。









体育大会が終わって









今年もやってきた、高校総体。









開会式は大雨。









｢うわ...｣









傘を持ってくるのを忘れた俺。









...せっかく新調したのに、夏服。









濡れるのが嫌で









スタジアムから出るのを躊躇っていた









そんな時だった、彼にあったのは









｢傘、どうぞ。｣







｢え？｣









顔は覚えていない









下を向いていて、恥ずかしそうに傘を渡した。









同じ制服で









『2』の学年章を見て、同級生だとわかった。









｢いや、その、だいじょ...｣








｢受け取ってください！！！｣









半ば、押し付けるように傘を渡して
逃げていった彼。









｢え、いいのか...な？｣









黒の傘を広げて、長い列を成している









最寄り駅へのシャトルバスへ並んだ

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