1話 ページ1
カランコロン______
バイトも終了時間となり、私は楽しみにしていたコンビニスイーツを買いに行くためバイト先から帰ろうとドアを開けた。
『お疲れ様でした!』
「Aちゃん、お疲れ様!今日も頑張ったね!もう寮に帰るの?」
声を掛けてくれたのは先輩。ちょっと男勝りなところがあるけど優しくて面倒見がある人。
『いえ!今からちょっとコンビニ寄って来ます!』
「夜道なんだから、気をつけなよ!」
それじゃ、また明日ーっと先輩が先に出ていく。
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私は高校2年生。
母親が外国人のため、私が高校に進学する頃に両親が母親の祖国に住むと言い始めた。
でも環境が変わることが嫌だし、なにより趣味であるコスプレもしたかったから日本に残り、バイト先の店長さんの厚意もあってかバイト先の寮で一人暮らしをしている。
たまにコンビニスイーツを買って帰るのが私の楽しみでもあったりする。
コンビニで、ロールケーキを買い、寮までの暗い道を歩いていると後ろから同じスピードであとを追ってきている人がいることに気がついた。
『またか……』
最近、よく後ろに誰かがいる。バイトでお客さんから連絡先をもらったり差し入れをもらったりするけど、悪質な人はいない……はず?
ちょっと怖いけど、それ以上何もしてこないからそこまで気にしないようにしてたけどバイトの先輩曰く、
「そういうのはエスカレートするから、警察に相談したほうがいいよ?客かもしれないけど、そうなったら出禁にしてやればいいしさっ!そのうち刺されても知らないよ〜」
なんてニヤニヤしながら言われたけど顔もよく見えないし、昔から何かと付きまとわれることは多かったから気にしないようにしていた。
そんなある日、寮に帰ってくると郵便受けに茶封筒が入っていた。
(不自然に分厚い…差出人は…書いてないな)
ちょっと気味が悪かったけど、中身を見てみた私はゾッとし、震えが止まらなくなった。
バイト先の私、高校で体育をしている私、コンビニで買い物している私……などなどの写真が大量に入っていた。
しかも、寮で着替えている私の写真まで……
(家がバレてる!)
このままじゃ何かされるかもしれない!
近くに相談できる人がいないわけじゃない、しばらく連絡を取ってなかったけど従姉妹のお姉ちゃんなら相談乗ってくれるかもしれない!
そう思った私は早速お姉ちゃんに連絡を取った。
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作者名:ねむ | 作成日時:2017年5月30日 0時