【14】エンカイザンコゲチャなんとか ページ16
「のんのん!!わかってないよぉ。
わかってなさ過ぎてお菓子食べたいよぉ」
「言ってることに脈絡がなさ過ぎないっスか!!?」
『うさ丸、にゃみりんはこういう子なんだよ。
演劇部に入ったからには早く慣れるしかないんだよ……』
「そんなっ!!!?もうぼくらにはこれに慣れるしか道はないんスか悠香先輩!!!?」
私がうさ丸に諦めろ言うと、遊兎がうんうんと頷いて私に同意していた。
そして遊兎はにゃみりんやひみちゃん対策の為にいつも隠し持っているお菓子をにゃみりんに差し出しながら、
「じゃあ、にゃみりん的には一宮ちゃんが何の動物っぽいと思うのさ?」
うさ丸の案も、遊兎のも結構いい線を突いてると思っていたせいなのか、遊兎はちょっと不満気に聞いていた。
「えーっとねー、エンカイザンコゲチャヒロコシイタムクゲキノコムシかなぁ〜?」
「「『…………は?』」」
三人揃って思わず間抜けな声を出してしまった。
「エンカイザンコゲチャヒロコシイタムクゲキノコムシだよぉ!!!それしかないって思うんだよねぇ」
名前が長過ぎて覚えられないし、当然知らないから姿も思い浮かばない。
っていうかそもそもそれって動物なの!!!?
最後にキノコムシって言ってるけど本当に動物なの!!!?
「それでねっ、あだ名を付けるとしたら、エルナムシちゃんかなぁ〜?」
……残酷過ぎた。
もし私がそんなあだ名を付けられたら暫く登校拒否すると思う。
その後に泣きながら大量のぬいぐるみを使ってクーデターを起こすと思う。
「これがダメだったらゴリラかなぁ〜」
「ぼく……う、ウサギで本当に良かったっス……。
うさ丸ってあだ名も最初はどうかと思ったけど、今では宝物っス……」
「本当だな……。なんか、一宮ちゃんに今度会ったらもっと優しく接してあげたい的な気持ちでいっぱいだ……」
『私達兄妹はあだ名付けられなくて本当に良かったってこんなに心の底から思ったのは初めてだよ……』
「ああ、俺もだよ悠香……」
鼻歌混じりで楽しそうにしているにゃみりんを横目に、遊兎とうさ丸は二人で抱き合うようにし、私は自分のアイテムを強く抱き締めながら、三人で暫く震え続けるのだった。
演劇部は今日も平和だ。
……………平和か?
【15】二重人格ではありません、双子です→←【13】一宮エルナを動物で例えるならどんな動物?
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