七通目 ページ8
「そうそう、よう知ってるやん』
何処か楽しそうに口を開き続けるコネシマ──様をつけるべきか──は、どこか様子がおかしいように見受けられた
目が右方作法へとちらちら動いて忙しないような、Aの様子をうかがっているような、そんなように見える
『あの、私に何か……？というか私はなぜここに』
切実な疑問をぶつけると、コネシマ様は困ったように頬を掻く
「俺にもわからん！政策がどうとかスパイがどうとか……まぁなんか色々あってゾムが探しに行ったらしいで」
ところどころ随所を端折ったような返答だが、やんわりとした触りの部分までは理解することができた
もしスパイならば、敵国幹部に見つかったと考えて逃げ出すだろう。Aはそれと同じ行動を取ってしまったのだから、疑われて当然だったのではないだろうか
降車理由を運転手に説明しておくべきだったと、かばかりかAの中で後悔が発露したが、もはや後の祭りである
「あーそういや、グルッペンが呼んでるから俺が呼びに来たんやそうや」
じゃあ今までの無駄な時間は何だったのかと、本音で聞き返してしまいそうになったのをぐっと飲みこんで、Aは苦笑いをした
─────────────────────
眼前にそびえ立つ扉には豪奢な飾り付けが施されており、きっと触れることすらおこがましいぐらいの価値があるものに対面しているのだろうとAは痛感する
一人になったAは、人目もはばからず思わず嘆息した。案内人の役割を負っていたらしいコネシマ様は、仕事がどうとかいいながら先程足早に何処かへ行ってしまったのである
「ノックすれば大丈夫やろ！」
とだけ言い残して
嵐のような人ではあったが、あの人の陽気さには何処か安心感のようなものを覚えていた故に、この緊張感の中で取り残されるのはなんだか切ない心持ちではある
──本当なら今頃、Aは家の中で宿題でもしていただろう
広い廊下奥に見える夕日を横目に痛感した。普通の生活の心地よさが身にしみるようだ
門前。ここを開いたが最後、Aはどうなってしまうのだろうかと怖じ気づいてしまう
しかし永遠とうじうじしているわけにもいかず、恐る恐るも小さなノックを三度、重い音と共に鳴らした
その後に奥から聞こえたのは
「入れ」
という端的で低い声だった
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Rin - ススススワンプマン？！ (2021年2月28日 12時) (
レス) id: ee43a6ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» コメントありがとうございます。総統はあくまで「総統」で幹部じゃないと考えているので、十一ですよ！ (2019年12月4日 18時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - あの、もしniさんとciたんを含めないのであれば、既存の幹部（総統を含めていると仮定すると）12人な気が…(11人と記載されていたので)(総統様含まれてなかったらすみません)(続き読んできます←) (2019年12月4日 18時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - mikazukiさん» ありがとうございます。お言葉どおり、暖房と布団を駆使してあったまりながらじゃんじゃか更新させていただこうと思います (2018年12月18日 23時) (レス) id: d493129e91 (このIDを非表示/違反報告)
mikazuki - めちゃくちゃ面白いです！！続きがとても気になります！最近寒いので体調管理をしっかりしてどんどん更新してください！ww待ってます (2018年12月18日 22時) (レス) id: 1c820def12 (このIDを非表示/違反報告)
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