四十一通目 ページ42
図書館の所有する本の多さに、圧倒されていた
量だけではない、ジャンルもだ
研究資料や国交の様子、歴史書に近代文学、推理系の小説
多すぎて目移りしてしまう
特に引き寄せられたのは、恋愛ものの小説が集められたコーナーだ
なぜお城にこのような場所があるかはわからないけれど、私にとっては天国のような場所だった
『これ、リイカがオススメしてたやつだ……』
その中で私は、友人が私に押し付けてきた一冊を見つけた
ちょっと女たらしな男の人が、主人公に本気の恋をするというお話
──鬱様の人柄がもとになっている一冊だ
こういう、幹部様をもとにしたお話は数多く存在する
──よくよく思えば、このコーナーはそういうたぐいのものばかりだ
そんなことを考えながら、彼女がすすめてくる時に言った
「え？だってちょっとだめな男好きでしょ？」
という言葉がぐう正論で、反論の余地もなかったのを思い出す
だって本当に思うこともあったからだ
『こんな恋をできたらいいのにな……って』
呟いて、顔に熱が集まるのを感じた
誰かに聞かれてはいないだろか
そう思って周りを見渡したときにはとき既に遅し
「おや、その本が気に入りましたか？」
興味深そうに笑うエーミール様が、私の横に立っていた
脳内がフリーズして、そのままブラックアウトしそうになる
「それはたしか、大先生がもとになっている……なるほど？そういう恋がしてみたいんですね？」
全て聞かれていた上に、どうやら内容まで把握していたらしく、いじられてしまう
エーミール様の色気のある含み笑いに赤面するのと同時に、私の好きなタイプを熟知されてしまったような気がすることへ恥ずかしさを覚えた
『えっとですねエーミール様、これは……その』
「大丈夫です、安心してください」
弁解しようと口を開くが、驚きやその他諸々で上手く呂律が回らない
そんな私を見つめたエーミール様
よかった、誰にも言わないでいてもらえるのか
「えぇ、言いませんよ」
ほっとして息を吐いた
──のもつかの間
「大先生には伝えておいてあげますがね」
『いちばんだめですから！』
どうやら、一番めんどくさいタイプの人に弱みを握られてしまったらしい
そう考えた私の心を汲み取ったのか、エーミール様は楽しそうに口角を上げた
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Rin - ススススワンプマン？！ (2021年2月28日 12時) (
レス) id: ee43a6ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» コメントありがとうございます。総統はあくまで「総統」で幹部じゃないと考えているので、十一ですよ！ (2019年12月4日 18時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - あの、もしniさんとciたんを含めないのであれば、既存の幹部（総統を含めていると仮定すると）12人な気が…(11人と記載されていたので)(総統様含まれてなかったらすみません)(続き読んできます←) (2019年12月4日 18時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - mikazukiさん» ありがとうございます。お言葉どおり、暖房と布団を駆使してあったまりながらじゃんじゃか更新させていただこうと思います (2018年12月18日 23時) (レス) id: d493129e91 (このIDを非表示/違反報告)
mikazuki - めちゃくちゃ面白いです！！続きがとても気になります！最近寒いので体調管理をしっかりしてどんどん更新してください！ww待ってます (2018年12月18日 22時) (レス) id: 1c820def12 (このIDを非表示/違反報告)
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