三十一通目 ページ32
ゾムが外出から帰宅したことにより、ようやくグルッペンは本腰を入れるように話題を切り出した
その内容というのが、今回Aをこの城へと招待した本当の理由についてである。この国で施行された【聴民政策
民の声を政治に強く取り入れ、より安定した国家を形成するためのものらしい。我々国は軍事国家というだけあって、特筆すべきは戦闘面だ
若い国ゆえに軍事体型はまだ完全なものではないが、諸外国に引けを取らない戦力は有している。ひとえに幹部の存在が強い所以だろう
しかしその裏で、まだ世界にとって新参者であるこの国は、政治においての基盤が安定していない節がある
民意を取り入れたいが、幹部が客観視して政策を執り行うには限度がある。ということで今回Aが、国民を代表して改善案を提示するために徴収されたということ
無鉄砲な政策によって民草の首が締められないための砦のようなものだ。本末転倒を防ぐのかAの仕事である
この政策が終われば元の家に帰れるのか如何かについては、未だはっきりしていない
ちなみにグルッペン曰く女性を選んだ理由は、幹部には男性しかおらず意見が偏るからとのこと。そうして選ばれたのが、どうやらAらしい
──と、数々説明された理由がA自身には納得できていない。民意を反映させたいのであれば選挙を行えばいいのにというのが率直な意見である
【ヴィジィール】という姓名の響きで決めた、などという適当な発言を完全に信用できるわけもない
「それで、具体的に私は何を？」
しかし直接愚痴を言うわけにもいかず、Aは本題を提起した。社会などの授業は得意な部類だが、頼まれる案件に寄っては苦手な可能性もある
得意不得意があるのは、人間なのだから当然だろう
「まぁそう気張るな。大したことではない」
どこか落ち着いた微笑を称える総統に、Aは少しだけ安堵感を覚える
わざわざ国民に託すぐらいなのだから、たとえ対策が必要であっても、そう難儀なものではないということか
「え、結局何について考えてもらうん？」
シャオロンが横槍をいれた。どうやら幹部らもその内容については説明されていないようだ
「これだ」
そういってグルッペンは、十数枚の紙束になった資料をAに差し出した。表紙には何も書いていない
「やってくれるか？」
「はい」
拒絶するわけにもいかず、Aは二つ返事でページをめくる
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Rin - ススススワンプマン？！ (2021年2月28日 12時) (
レス) id: ee43a6ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» コメントありがとうございます。総統はあくまで「総統」で幹部じゃないと考えているので、十一ですよ！ (2019年12月4日 18時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - あの、もしniさんとciたんを含めないのであれば、既存の幹部（総統を含めていると仮定すると）12人な気が…(11人と記載されていたので)(総統様含まれてなかったらすみません)(続き読んできます←) (2019年12月4日 18時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - mikazukiさん» ありがとうございます。お言葉どおり、暖房と布団を駆使してあったまりながらじゃんじゃか更新させていただこうと思います (2018年12月18日 23時) (レス) id: d493129e91 (このIDを非表示/違反報告)
mikazuki - めちゃくちゃ面白いです！！続きがとても気になります！最近寒いので体調管理をしっかりしてどんどん更新してください！ww待ってます (2018年12月18日 22時) (レス) id: 1c820def12 (このIDを非表示/違反報告)
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