四通目 ページ4
「ご、ご報告致します。件の女性を呼びに行った車が、先程到着致しました」
若い衛兵のたどたどしい報告を耳にして、──は自身の口角があがるのを自覚した
「そうか、通せ」
書類上などの僅かな記憶しか無いその相手が、どんな容貌をしているのか。どのような言葉使いで何を話すのか。未知が過半数を占める。女
ある日──が家臣も通さず勝手に計画した【この国の内情に民の意見を加える】という、安直で陳腐な策
実際のところ、この政策自体に大した意味など存在しない。確かに、民衆の意見を直に聞いてみるというのは悪い案ではないだろう
他の幹部からは大バッシングを受けた。突出して真面目な男からは
「何故勝手なことを」
と、青筋を濃く浮かべて説教を垂れられた。何故と聞かれても、ただやりたかったからと返す他に無い
「そ、総統閣下。申し上げにくいのですが──」
いつかの彼の怒りっぷりを思い起こして苦笑いをしていると、未だ居たらしい兵が遠慮がちに小さな声を発する
「件の方ですが、中央街で急に降車なされて──現在消息不明なのです」
─────────────────
「おねーさんありがと！」
無邪気に手を振る少年は満面の笑みを浮かべながらAに別れを告げる。彼の母親は無事に発見することができた
母と少年の容貌が瓜ふたつだったため、ひと目でわかったのである。
どうやら二人で買い出しに来ていたようだが、人混みの折に離れ離れになってしまったらしい
「この御恩は一生忘れません」
そういって母親はAの手に、四つ葉の形をした硝子のキーホルダーを握らせた。どうやら彼女は硝子細工の店を営んでいるらしく、これはかなり人気の代物なんだとか
繊細な色使いと滑らかな触り心地は、Aもとても気に入った。思わずその場の感情で受け取ってしまったが、断るのが普通だったのかと今になって後悔している
それにしてもこれからどうしたものかとAは頭を悩ませる。降車した車両はいつの間にか居なくなっていた
家に帰るべきかと思ったが、この靴は長距離を歩くのに向かないし、帰宅するにしても一時間はかかるだろう
選択肢は無いに等しかった。何故なら、Aは総統直々に召喚されているのだとようやく思い出したから
自分が今このときも権力者の時間を奪っているのではと、嘘という可能性は消しきったわけではないが身震いのする思いを覚える
仕方なく歩いて向かおうと、Aは城の方角へ足を向けた
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Rin - ススススワンプマン？！ (2021年2月28日 12時) (
レス) id: ee43a6ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» コメントありがとうございます。総統はあくまで「総統」で幹部じゃないと考えているので、十一ですよ！ (2019年12月4日 18時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - あの、もしniさんとciたんを含めないのであれば、既存の幹部（総統を含めていると仮定すると）12人な気が…(11人と記載されていたので)(総統様含まれてなかったらすみません)(続き読んできます←) (2019年12月4日 18時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - mikazukiさん» ありがとうございます。お言葉どおり、暖房と布団を駆使してあったまりながらじゃんじゃか更新させていただこうと思います (2018年12月18日 23時) (レス) id: d493129e91 (このIDを非表示/違反報告)
mikazuki - めちゃくちゃ面白いです！！続きがとても気になります！最近寒いので体調管理をしっかりしてどんどん更新してください！ww待ってます (2018年12月18日 22時) (レス) id: 1c820def12 (このIDを非表示/違反報告)
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