十四通目 ページ15
「っ……と」
倒れてきたAを受け止めて、グルッペンは深く嘆息する。一段落ついた喜びや、手のかかる女だなという疲労からのそれだ
緊張の糸が切れたのか、グルッペンの片腕の中で気を失うAを見下ろしていると、荒ぶったようなトントンの声がなげられた
「グルさん！なに勝手してんのや！」
疲労が顕著に現れている眉間へ更にシワを刻んで、苛立った様子で声を震わせるトントン
「許可なくこんなことして、怒られても知らへんからな？！そもそもまだ仕事が溜まってるいうのに、道草食ってる暇無いやろ」
息つく間もないお小言を振りかけ、トントンはむしゃくしゃしたように自身の頭を掻いた
「いやほんと、こればかりはトントンの言う通りやで。職権乱用って知っとる？」
トントンに賛同するように、オスマンが一歩歩み出てグルッペンを訝しげに見た。耳が痛くなりそうな愚痴と説教を浴びながら、グルッペンは簡易な謝罪を雑に吐き出す
別段、反省しているというわけでもなく、しかし叱られるのは嫌いな質ゆえにさっさとこの時間を終わらせたい
そんな魂胆が露見していることに呆れて、やがてトントンはため息を吐いて眉間を抑え、グルッペンを睨みつけた
「本当に笑えんでこれ。一体、その娘の両親にはどう説明つけるつもりなんすかね？」
「決定してしまったことは仕方がないだろう。ご家族には俺が伝えるし、引越しの費用は全額負担する」
「僕が聞きたいのは、万が一があったときにとうするつもりかって事なんですけどねぇ。耳ついてます？」
「まぁそう怒るな」
トントンが何を危惧しているのか、さすがのグルッペンにも理解できていた。軍事職につくという事柄から、彼女の身に危険が及ぶ可能性を懸念しているのだろう
確かにグルッペンにも思うところはあるが、周囲に実力派の幹部が揃い踏みなこの場所の方が、身の安全は保証されていると判断した
グルッペンいわく、これは保護なのだから
「ちょ、勝手に病人外に連れ出すなって！」
問答を広げていると、前方の扉が勢い良く開け放たれた。その奥から覗くのは、神と書かれた能面と水色の神
「あ、しんぺいさん」
「部屋ちょっと出た隙に患者が消えてるとか、心臓に悪いどころの話じゃないからほんとに勘弁して」
「許してクレメンス」
「はいはい謝罪は後で聞くからさっさとその娘渡して。医務室連れてって、帰る準備もさせてあげないと」
「その必要はない。今日からここが家になるのだからな」
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Rin - ススススワンプマン？！ (2021年2月28日 12時) (
レス) id: ee43a6ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» コメントありがとうございます。総統はあくまで「総統」で幹部じゃないと考えているので、十一ですよ！ (2019年12月4日 18時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - あの、もしniさんとciたんを含めないのであれば、既存の幹部（総統を含めていると仮定すると）12人な気が…(11人と記載されていたので)(総統様含まれてなかったらすみません)(続き読んできます←) (2019年12月4日 18時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - mikazukiさん» ありがとうございます。お言葉どおり、暖房と布団を駆使してあったまりながらじゃんじゃか更新させていただこうと思います (2018年12月18日 23時) (レス) id: d493129e91 (このIDを非表示/違反報告)
mikazuki - めちゃくちゃ面白いです！！続きがとても気になります！最近寒いので体調管理をしっかりしてどんどん更新してください！ww待ってます (2018年12月18日 22時) (レス) id: 1c820def12 (このIDを非表示/違反報告)
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