百四十八通目 ページ49
事件──今後を左右する面倒事は、昼休みに起きた
いつもどおり教室でお弁当を食べ
保健室へ向かう道中
実は四時間目に体育──剣術とは別枠の授業があったのだが
そこでリイカが素晴らしく転び、捻挫をしてしまったのだ
授業を間抜けして保健室へ行ったのだが、昼休み再び来るようにと言われた
また転ぶのではということで、私は連れということでついていく
──そのゆく道の途中で、いざこざを目撃した
いや、いわゆるいじめやらというもの
校庭の隅、教師の目の届かない体育館裏
陰湿なそれは、他生徒から無視されたつ行われていた
カースト上位の女子達十名ほどに囲まれる、黒眼鏡の少女
私もリイカも立ち止まると、その様子を視察する
「ちょっと頭が回るからって、いい気になってるよね〜」
「強くないのに、なんっで偉そうにふんぞり返れるの？わっかいないなぁ」
壁へ押し付けられる彼女へ、無慈悲に浴びせられる罵倒
憤怒を覚えた
それでも、外野がどうこう言うことはできない
どうにもできない自分に苛つきながら、仕方なく歩みを進めようとした
──その時だった
「何しとんじゃ手前らぁぁぁっ！」
唐突にリイカが、脚力を駆使して全速力で間に走り寄る
負傷していない左足を軸にすると、右足を後方に振り後ろ回し蹴りを繰り出した
少女の周りに立つ生徒一人を、剥がしとるように蹴り飛ばす
踵が腹に直撃した生徒は、嗚咽を漏らしながらしゃがみこんだ
「っ……だ、誰かー！襲われてるわ！助けて！」
主導者であろう女子生徒が、大声で叫ぶ
──襲われている？助けを求める？
お前たちは、自分が行っていたことをひた隠し、負傷を糧に被害者面しようと？
「呼べよ！全員まとめてぶっ潰す！」
『りっ、リイカっ！……とりあえず眼鏡さん、こっち来て！』
怒りで暴れるリイカを宥めながら、巻き込まれかねない眼鏡の子を、安全な木の裏に連れていく
騒がしい声が近寄ってくるのが聞こえた
──完全に、目の前の敵を倒すことしか考えていないリイカ
正義感の強い彼女は、まず真っ先に敵を潰そうとするようだった
荒い息を吐きながら、後退りする女子生徒達を睨みつける彼女
その様子は、大人たちが駆けつけるまで続いた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1245人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みたら士(プロフ) - Mahtaさん» こんなところに通が？！これは今後が大変そうです( 'ω' ) (2019年8月14日 19時) (
レス) id: 92ac31019d (このIDを非表示/違反報告)
Mahta - ワルサーP.38ね。かの有名な大怪盗ルパン三世も使っている拳銃だね。センスがいい。(上から目線マジすんませんいまね、なんかね、むしょうにちゅうにごころがあれなんだよ)(読みにくい)頑張ってください (2019年6月30日 20時) (レス) id: 48ed6174b8 (このIDを非表示/違反報告)
ロックン(プロフ) - みたら士さん» はい！わかりました！ (2019年2月13日 17時) (レス) id: 92cf6928d1 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - ロックンさん» も！ち！ろ！ん！で！す！ツイッターの方で私を調べ、話しかけていただいても……？ (2019年2月13日 17時) (レス) id: d493129e91 (このIDを非表示/違反報告)
ロックン(プロフ) - 表紙描いて欲しいです(唐突)私の画力じゃ、表紙に飾れないので。お願いします。 (2019年2月13日 16時) (レス) id: 92cf6928d1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みたら士
| 作成日時：2019年1月1日 19時
